食用岩塩はどっち?
この記事では「天然塩」と「食卓塩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「天然塩」とは?
かつて日本では普通に使われていた言葉であり、同義語には「自然塩」が該当します。
食用塩公正競争規約により2010年4月から如何なる場合でも使用が禁じられました。
まだ10年ほど前の出来事であるため、30代以上の方には聞き覚えのある言葉だと言っていいでしょう。
ピークの時期は1997年から公正取引委員会が諸問題として取り上げられた2004年まで。
この時にはかつて平安末期から江戸時代まで遡った揚浜式塩田などの製法で作られた塩がブームを巻き起こしています。
「食卓塩」とは?
定義としては塩化ナトリウムが99%以上に加えて、炭酸マグネシウムを付加した精製塩です。
商品名的には日本で完全に定着した“アジシオ”が有名だと言っていいでしょう。
また旨み成分として知られるグルタミン酸ナトリウムが入っているのも特徴的であると言えます。
「天然塩」と「食卓塩」の違い
「天然塩」と「食卓塩」の違いを、分かりやすく解説します。
「天然塩」は「自然塩」同様に2010年以降使用が禁じられた言葉です。
ただしその製法自体は古来の日本で使われていた技術を活かしたものでブランド化される事になったと言っていいでしょう。
一方の食卓塩は天日塩を輸入。
そして在中している不純物を除去したものです。
それから手間暇を掛けて煮詰めていくのが特徴的です。
また総量の多くをメキシコとオーストラリアから輸入しており、その二カ国だけでシェアの74%にもなるほどでした。
まとめ
天然塩は90年代末の天然・自然塩ブーム時に虚偽の申し入れや事実が発覚した事で公正取引委員会の定めた食用塩公正競争規約に基づいて名称の使用が禁じられています。
実際のブーム時には揚浜式塩田などによる平安末期から江戸時代からの製法、有名原産地域名を使ったネーミングを施し、プレミアム感を持たせる戦略だったと言っていいでしょう。
その一方で食卓塩は手間暇かけたのが特徴的。
メキシコやオーストラリアから原材料の塩を輸入し、不純物を取り除いて再度煮詰めて完成させます。
旨み成分であるグルタミン酸ナトリウムを添加するなど手間暇かけた調味料だと言っていいでしょう。