意外に日本の大御所ファンタジーには登場しない?
この記事では、「セイレーン」と「ローレライ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「セイレーン」とは?
ファンタジー小説では定番の海に出現するモンスターです。
歌声で船員を惑わせて船を海の藻屑と化する事で知られています。
古代から中世までは同じ想像上の半人半鳥のモンスターである「ハーピー」と同じ姿をしていたとされますが、中世からは人魚姫を思わせる半魚人スタイルになっています。
アメリカのコーヒーチェーンスターバックスコーヒーのロゴマークに入っている事でも有名だと言えるでしょう。
日本の2大RPGであるドラクエやFFでは登場するのは共に11作目以降と知名度の割に影が薄い印象です。
「ローレライ」とは?
ドイツのライン川沿岸ライン=ラーン郡のローレライ、ザンクト・ゴアールスハウゼンに実在する岩山。
またその岩山に宿っているとされる精霊を指します。
古くから吟遊詩人や作家に題材として用いられる事が多いと言えるでしょう。
題材としては古くから使われており、伝承として何パターンも話が存在しています。
共通項は男性に裏切られた女性がライン川に身投げをし、そこで水の精霊ローレライ化するものでした。
彼女の歌声によりそこを通りがかった船は幻惑され岩にぶつかったり、水に船員が身投げをするのは共通項だと言えるでしょう。
「セイレーン」と「ローレライ」の違い
「セイレーン」と「ローレライ」の違いを、分かりやすく解説します。
セイレーンは元々はギリシャ神話では神でした。
それが諸般の理由でモンスター化。
その流れはドイツの詩人ゲーテが1800年代に記した『ファウスト』でより顕著化したと言っていいでしょう。
半人半鳥から半魚人、言い換えればハーピーからマーメイド化するなど容姿の変化も見られています。
特にハーピーとの混同化は様々な創作物で見られる傾向です。
それに対するローレライは元々は人でした。
男の裏切りにより、身投げをしてライン川のローレライ岩に宿る水の精霊になりました。
美しい歌声で船員を惑わせるのは共通だと言っていいでしょう。
ヨーロッパのライン川・ローレライと実際に存在するものから派生した事もあり、古くから伝承、戯曲やオペラとして親しまれています。
まとめ
セイレーンは元々は神様でモンスターに堕とされたもの。
ローレライは元々は人でライン川に身投げをして水の精霊化したものです。
またローレライはライン川に実在する観光名所としての側面や戯曲やオペラの題材、タイトルになっているのもセイレーンとの大きな違いだと言えるでしょう。