「有形文化財」と「無形文化財」には、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「有形文化財」と「無形文化財」の違いを分かりやすく説明していきます。
「有形文化財」とは?
「有形文化財」とは、形あるものを指します。
歴史的に価値があると認定された建物や芸術品、古文書、歴史的資料などが「有形文化財」になります。
日本にとって、歴史的にも学術的にも芸術的にも価値があるものを称して「有形文化財」と言います。
現在、「有形文化財」には、建物の場合、静岡市内にある国宝久能山東照宮。
京都市内にある重要文化財杉本家住宅。
東京都内にある国宝旧東宮御所などがあります。
「無形文化財」とは?
「無形文化財」とは、形のないものを指します。
昔から守り続けられている伝統や技術などを大切に保存するために「無形文化財」があります。
実際、伝統行事や職人の技などは形として残すことが難しいものになります。
そういったものを大切にするために「無形文化財」が存在します。
例えば、芸能分野で言えば、人形浄瑠璃文楽人形。
そして、その人形遣いである桐竹勘十郎氏も「無形文化財」に指定されています。
工芸技術では、茶の湯釜は「無形文化財」。
そして、その保持者、角谷勇圭氏も「無形文化財」に指定されています。
「有形文化財」と「無形文化財」の違い
「有形文化財」も「無形文化財」も文化財を保護するために設けられた制度のひとつです。
そのうえで、建物や美術工芸品など、実際に形あるものを「有形文化財」を示し、その中には「重要文化財」や「登録有形文化財」、「国宝」などがあります。
対して、演劇や音楽、工芸技術など形のないものを「無形文化財」と示し、その中には「重要無形文化財」や「登録無形文化財」などがあります。
まとめ
「有形文化財」、「無形文化財」共に守っていかなければならないものといった共通点があります。
そのうえで、形があるものなのか。
そうでないものなのか。
といった違いが存在します。