この記事では、「棒術」と「杖術」の違いを分かりやすく説明していきます。
「棒術(ぼうじゅつ)」とは?
「棒術」とは、主に「長い棒を武器として扱う武術」のことです。
一般的に、日本では背丈より長いものを「棒」としており、日本武術における「棒術」では長さ6尺(=およそ180cm)で断面が円形の棒が用いられます。
日本の「棒術」は槍や薙刀などの長柄武器が折れたとき、柄だけでも戦えるように編み出されたことが起源とも伝えられています。
しかし、多くの槍術の流派に「棒術」も含まれていることから、「棒術」をベースに槍術が発展を遂げた可能性が高いと考えられているようです。
「棒術」は日本全国に広く様々な流派が存在しており、「棒術」が手軽に入手でき、武器とする棒そのものも身近にあるものなので、身分を問わず修練されていたそうです。
また、「棒術」は武術として以外に祭礼などでも演じられ、「棒踊り」や「獅子舞」などと呼ばれています。
日本以外にも、棍棒をはじめ棒状のものを武器として扱う「棒術」は中国やヨーロッパ、アフリカ、インド、東南アジアなど世界各地に存在しています。
「杖術(じょうじゅつ)」とは?
「杖術」とは、「杖を武器として扱う武術」のことです。
一般的に、日本では背丈より短いものを「杖(じょう)」としています。
日本武術における「杖術」では、主に長さ4尺(=およそ120cm)の棒を「杖(じょう)」として用いますが、流派によって違いがあるようです。
武道における「杖術」や日本警察が使う警杖術のルーツとなったのは、「夢想権之助」が創始した「神道夢想流杖術」とされています。
「夢想権之助」は江戸時代初めの武芸者であり、剣豪として名高い「宮本武蔵」と2度に渡って決闘を行い、2度目で勝利したと伝えられています。
「棒術」と「杖術」の違い
「棒術」と「杖術」の違いを、分かりやすく解説します。
「棒術」は思いに「長い棒を武器として扱う武術」のことであり、「杖術」は「杖を武器として扱う武術」のことです。
まとめ
「棒術」と「杖術」はそれぞれ主として用いる武器が「棒」か「杖」かという点に違いがありました。