この記事では、「冥土」と「冥途」の違いを分かりやすく説明していきます。
「冥土」とは?
「冥土」とは死者の霊魂が行き着く先を指す言葉です。
現在の日本的には天国や地獄であったり三途の川のような死後の世界をまとめて指す言葉になっています。
厳密に言えば三途の川は死後の世界に行く途中の道ですが、現在は「冥土」という言葉はそういった道も含めた言葉です。
中国では死後に閻魔大王を始めとする十王に生前の罪過を見定められそれを罰せられるというのが仏教の考えであり、その閻魔大王の審判を受け罰を受けるいわゆる地獄が「冥土」になります。
「冥途」とは?
「冥途」とは人などの死者が死んだ後に行く場所を指す言葉です。
土の方の「冥土」と同じように行き着く先も含めた言葉としても扱われますが、もともとはそういった場所に行くまでの道筋を指します。
現世とあの世を隔てる境界となっている三途の川はわかりやすい「冥途」の代表例と言えるでしょう。
「冥途」が「冥土」と同じように死者が行き着く先を指す言葉として扱われるのは、そうして行き着いた先も輪廻転生の道の一つにしか過ぎないからとも言われています。
「冥土」と「冥途」の違い
「冥土」と「冥途」の違いを、分かりやすく解説します。
天国や地獄など死者の魂が行き着く先を指すのが「冥土」で、そこにいたるまでの道中や道筋を指すのが「冥途」です。
どちらも行き着く先と道中を含めた使い方をされることも多いですが、「冥土」では死んだあとに行く場所というくくりで一緒にされています。
それに対し「冥途」は死後に行き着いた先も輪廻転生の道中に過ぎないからでまとめて扱う理由も別です。
まとめ
今でこそ日本では同じ意味の言葉として使われていますが、本来の意味としては「冥土」は死者の魂が行き着く先であり、「冥途」はそこにたどり着くまでの道中と違う意味を持った言葉です。
また「冥土」と「冥途」は本来の両方の意味を含む言葉として使われていますが、そういう使い方になった理由もそれぞれ異なります。