決意や覚悟を示す時に使う言葉として「万難を排して」と「万全を期して」があります。
2つの言葉が表す意味にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「万難を排して」と「万全を期して」の違いを解説します。
「万難を排して」とは?
「万難を排して」とは、「あらゆる困難を乗り越えて」という意味で使われる言葉です。
「万難を排して」の使い方
「万難」とは多くの難事、つまりいろいろな苦労やさまざまな困難を意味します。
物事を実行するにあたって発生するであろう数多く複雑な難事を全て乗り越えていく、何が何でも成し遂げる強い覚悟があることを示す言決意表明の言葉です。
「万全を期して」とは?
「万全を期して」とは、「十分な準備を整えた上で」という意味で使われる言葉です。
「万全を期して」の使い方
一分の隙もない全て完全な状態のことを「万全」といいます。
一般的には物事に対する備えとして全ての準備や用意が整った完璧な状態を表す言葉として使われます。
期待を抱いて待ち望み挑むことを「期する」といい、挑むために完全な準備を整える様子を表す言葉が「万全を期して」です。
平均的な準備の水準を超えて何があってもいいようにあらゆる備えを完璧に用意して物事に挑む入念な様子を表す言葉です。
「万難を排して」と「万全を期して」の違い
「万難を排して」と「万全を期して」はどちらも決意や覚悟を示す言葉ですが方向性の違いで区別されます。
「万難を排して」は待ち受ける困難全てを乗り越えていく意志の強さを表しているのに対し「万全を期して」はあらゆる困難を想定して準備を整える備えの確かさを表しています。
「万難を排して」の例文
・『万難を排して挑戦する覚悟です』
・『夢を実現するために万難を排して挑む』
「万全を期して」の例文
・『万全を期して1日休息をとる』
・『万全を期して食料は多めに持っていく』
まとめ
「万難を排して」と「万全を期して」は表している決意の方向性が全く異なります。
物事に対してどのように対処するかを基準に使い分けましょう。