「身の丈に合わない」と「身に余る」はどちらも同じような意味で使う言葉ですが、どのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「身の丈に合わない」と「身に余る」の違いを解説します。
「身の丈に合わない」とは?
「身の丈に合わない」とは、「能力や立場が追いついていないさま」を意味する言葉です。
「身の丈に合わない」の使い方
求めるものが能力や立場に比べて程度が高すぎていて合っていない様子を指します。
貧乏なのに高級車を買ったり実力もないのに大会に出たりなど、十分ではない状況で過ぎたものを追い求めた結果としてのふさわしくなさに対して用いる表現です。
「身に余る」とは?
「身に余る」とは、「能力や立場に比べて過剰に扱われること」を意味する言葉です。
「身に余る」の使い方
新人なのに良い役職を与えられたり小さな実績に対して高い評価を与えられたりなど能力や立場を超えた扱いを指す言葉です。
本人の認識を超えた高待遇や高評価に対して用いる表現で、ふさわしいと思われる程度を超えた過剰な扱いに対して恐縮する意味で使います。
「身の丈に合わない」と「身に余る」の違い
「身の丈に合わない」と「身に余る」の違いは「扱いの内容」です。
どちらも能力や立場にふさわしくないさまを表しますが「身の丈に合わない」は自分をわきまえずに上のものを追い求める「分不相応」を指すネガティブな意味で使うのに対し、「身に余る」は自分に対して過剰な気遣いや配慮を表す「過分」のポジティブの意味で使われるという違いがあります。
「身の丈に合わない」の例文
・『身の丈に合わない生活で家計が苦しくなる』
・『高級外車は身の丈に合わない』
「身に余る」の例文
・『勲章を授かるとは身に余る光栄だ』
・『直々にお褒めの言葉を頂戴し身に余る光栄です』
まとめ
「身の丈に合わない」と「身に余る」は表す様子は似ているものの意味合いは正反対です。
ミスマッチさをどのように評価するかを基準にして使い分けてください。