「杞憂」と「転ばぬ先の杖」の違いとは?分かりやすく解釈

「杞憂」と「転ばぬ先の杖」の違いとは?違い

「杞憂」「転ばぬ先の杖」はそれぞれどのような意味を持つことわざなのでしょうか。

今回は、「杞憂」「転ばぬ先の杖」の違いを解説します。

「杞憂」とは?

「杞憂」とは、「どうしようもないことを無駄に心配すること」を意味することわざです。


「杞憂」の使い方

中国の古典「列子」が出典の故事成語です。

ある男が杞の国に天が落ちてきたらどうしよう地が崩れたらどうすればいいのだろうと思い悩み食事も摂れず眠れなくなっていたところに見かねた人がそんな心配は無用のものであると言って聞かせて安心させた、という話に由来します。

天が落ち地が崩れるという絶対にありえないことを無駄に心配することから転じて「心配しなくてもいいことを心配する無用な不安」という意味で使われることわざです。


「転ばぬ先の杖」とは?

「転ばぬ先の杖」とは、「何か起きる前にあらかじめ用心しておくこと」を意味する言葉です。

「転ばぬ先の杖」の使い方

杖は転ばないようについて歩くためのもので転んでからついても手遅れです。

万が一転びそうになった時に備えて転ぶ前にあらかじめ杖をついておく様子から転じて「不測の事態が起きる前に備えておくこと」という意味で使われることわざです。

「杞憂」と「転ばぬ先の杖」の違い

「杞憂」「転ばぬ先の杖」はどちらも心配事に関することわざですが、心配事に対する対応が違います。

「杞憂」は心配している内容そのものが無意味なものであり心配する必要がないのに思い悩む無意味さを意味することわざなのに対し、「転ばぬ先の杖」は心配事に対してあらかじめ備えておくことの大切さを説くことわざです。

必要ない心配を表すのが「杞憂」、心配に対する用心の重要性を説くのが「転ばぬ先の杖」という違いで区別されます。

まとめ

「杞憂」「転ばぬ先の杖」はどちらも未来の不安に関することわざですが意味は全く違います。

映画や小説などでも比較的よく使われる言い回しなので正しい意味を知っておきましょう。

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