この記事では、「お伝えする」と「申し伝える」の違いを分かりやすく説明していきます。
「お伝(つた)えする」とは?
まず、「伝える」には複数の意味が含まれますが、ここでは「言葉などで知らせる」や「伝達する」という意味を表します。
そして、「お伝えする」はその「伝える」に尊敬を表す接頭辞「御(お/ご)」を付け、謙譲語になおした表現になります。
「お伝えする」の使い方
「お伝えする」は謙譲語として使われています。
「申(もう)し伝(つた)える」とは?
「申し伝える」とは、「言い伝える」の謙譲語です。
「言い伝える」には複数の意味が含まれていますが、ここでは「伝言する」や「言葉を取り次ぐ」という意味を表します。
「申す」は「言う」の謙譲語であり、自分の「言う」という行為をへりくだった言い回しです。
「申し伝える」の使い方
「申し伝える」は謙譲語として使われています。
「お伝えする」と「申し伝える」の違い
「お伝えする」と「申し伝える」の使い分けですが「誰に対する敬語なのか?」という点にあります。
具体的な例として、顧客Aからの伝言を上司Bへ伝えるというシチュエーションで説明していきます。
「お伝えする」は伝える相手(=上司B)に対する敬語なので、上司Bへ伝言を伝える場合は『A様からの伝言を(Bへ)お伝えします』となります。
ただし、顧客Aに対して、『今お聞きした内容をBへお伝えします』と使うのは誤用です。
何故なら、外部の相手に対して、身内を高める敬語を使うのは不適切となるからです。
「お伝えする」は伝える相手(=上司B)に対する敬語なので、顧客Aに対して使うことはできません。
したがって、顧客Aに対しては、『今お聞きした内容をBへ申し伝えます』とするのが正解となります。
「お伝えする」の例文
・『報告内容をこれよりお伝えします』
・『お客様よりいただいたご意見を私からお伝えします』
「申し伝える」の例文
・『お客様からいただいたご意見は私から責任をもって上司へと申し伝えます』
・『お客様のお電話へ折り返し連絡するよう担当の者へ申し伝えます』
まとめ
「お伝えする」と「申し伝える」は誰に対する敬語なのかで使い分けがされているということでした。