この記事では、「頼む」と「恃む」の違いを分かりやすく説明していきます。
「頼(たの)む」とは?
「頼む」には「こちらが希望することをしてくれるように相手へ伝え願うことや依頼すること」、「頼りになるものとして当てにすること」、「処置や用事を他へ任せることや委ねること」、「信用することや信頼すること」、「何かをしてもらうために呼ぶことや注文すること」、「他家に行き、案内を請うこと」、以上の意味が含まれています。
「恃(たの)む」とは?
「恃む」には先述した「頼む」と同じく「こちらが希望することをしてくれるように相手へ伝え願うことや依頼すること」、「頼りになるものとして当てにすること」などの意味が含まれています。
「頼む」と「恃む」の違い
「頼む」と「恃む」の違いを、分かりやすく解説します。
「頼む」と「恃む」はいずれも同じ意味を含める言葉であり、漢字の表記が違うだけの同義語です。
したがって、どちらの漢字を用いても間違いということはありませんが、「頼」が常用漢字であるのに対して、「恃」は常用外漢字になります。
つまり、「頼」は新聞や公用文で使用することができますが、「恃」は逆に新聞や公用文で使用することはできないのです。
「頼」という漢字には「たよる」や「たのむ」、「たのみにする」という意味が含まれており、「恃」にも同様の意味が含まれる他、「自負する」という意味も含まれています。
ちなみに、「たのむ」を漢字で表記するとき、「頼む」と「恃む」以外に「憑む」と書くこともできます。
ただし、「憑」も「恃」と同じく常用外漢字であるため、公用文などで使用することはできません。
以上のことから、「たのむ」を漢字で表記するとき、特に理由がなければ「頼む」を用いるのが無難と言えるでしょう。
まとめ
「頼む」と「恃む」は同義語であり、どちらの漢字を用いても誤りではありません。
ただし、「頼」は公用文などで使用可能な常用漢字であるのに対し、「恃」は公用文などでは使用できない常用外漢字ということでした。