異なる意味なのに似ている表現として「甘んじる」と「甘える」があります。
2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「甘んじる」と「甘える」の違いを解説します。
「甘んじる」とは?
「甘んじる」とは、「仕方がないことだとしてそのまま受け入れること」を意味する言葉です。
「甘んじる」の使い方
与えられるものに不満があったとしても反抗することなくそのまま受け入れることを指します。
提示された条件に不満がある場合は争ってより良い条件を引き出すやり方もありますが、相手と争うことなく自分が我慢し逆らうことなく受け入れるさまを表す言葉です。
争わずに受け入れてはいるものの不満そのものが消えたわけではありません。
腹立たしい気持ちをグッと抑えて飲み込んでいるだけなので表面上は素直に見えても心中では相手に対する不信感や不満がくすぶり続けています。
「甘える」とは?
「甘える」とは、「好意を期待して親しく接する」または「相手の好意を頼りにする」という意味で使われる言葉です。
「甘える」の使い方
大きく分けると2つの意味があり1つは「心の距離が近い相手になれなれしく接すること」を意味します。
主に愛情表現として行う行為です。
もう1つは「相手が好意で提案してくれた有利な内容をそのまま受け入れて相手を頼ること」という人の力をあてにすることを意味します。
遠慮なく人の好意に乗っかることを指す表現です。
「甘んじる」と「甘える」の違い
「甘んじる」は我慢を表す言葉で自分は損しているのに対し「甘える」は我慢しないことを表す言葉で自分の好きなことで得している、という違いがあります。
「甘んじる」の例文
・『実力が評価されず平社員に甘んじる』
・『屈辱的な扱いだが甘んじて受け入れる』
「甘える」の例文
・『恋人に甘える』
・『お言葉に甘える』
まとめ
「甘んじる」と「甘える」はわずか1字違いですが意味は全く異なります。
それぞれの言葉の意味を正しく理解し適切に使いましょう。