この記事では、「天涯孤独」【てんがいこどく】と「鰥寡孤独」【かんかこどく】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「天涯孤独」とは?
人生を一人でずっと生きることを「天涯孤独」【てんがいこどく】といいます。
結婚もせず、子供を作らない人生を指す言葉であり、一生涯を孤独に生きると自分で選ぶ人もいれば、経済的な問題から養えずに家族を持てないといった人が増えている現状から「天涯孤独」の道を選ぶわけです。
このようなところから人間社会より孤立していき、高齢になっても独りで生きる人も増えていきます。
「鰥寡孤独」とは?
家族がまったくいない独り身の人を「鰥寡孤独」【かんかこどく】といいます。
言葉の由来は平安時代であり、61歳以上で妻のいない男性を指すのが「鰥」であり、50歳以上で夫がいない孤独な女性を意味する「寡」、そこに父親がいない16歳以下の子供といった意味がある「孤」を掛け合わせた言葉を指すわけです。
最後に、61歳以上の人で子供ができなかった夫婦を意味する「独」を掛け合わせています。
「天涯孤独」と「鰥寡孤独」の違い
「天涯孤独」と「鰥寡孤独」の違いを、分かりやすく解説します。
一生涯、家族も作らずに生きる人のことを「天涯孤独」といって、家族を作らずに生きる人という意味があります。
もう一方の「鰥寡孤独」は夫婦の片方がいない、子供もいない身寄りがない状況を「鰥寡孤独」という意味がある言葉です。
妻や夫を失ったとか、親がいない子供、年老いても子供ができないといった意味をそれぞれの漢字に込めています。
「天涯孤独」の例文
・『双子の兄は天涯孤独の人生を選び、79歳で息を引き取った』
・『天涯孤独な叔父は、親戚に収集した骨董品を残した』
「鰥寡孤独」の例文
・『鰥寡孤独な人を優しく見守り、助ける制度が必要だ』
・『人間社会に溶け込めないでいると、鰥寡孤独になってしまう』
まとめ
どちらも似ている言葉ですが、意味や使い方に多少の違いがありますので、状況を応じて使い方を工夫してみるといいでしょう。