この記事では、「粒々辛苦」と「意匠惨澹」の違いを分かりやすく説明していきます。
「粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)」とは?
「粒々辛苦」とは、「穀物のひと粒ひと粒は農民の努力と苦労の末に実ったものであること」や転じ、「細かな努力を積み重ね、多大な苦労をすること」を意味する言葉です。
「粒々辛苦」は李伸による中国古典「憫農」の漢詩が出典であり、「粒々皆辛苦(りゅうりゅうみなしんく)」を四字熟語に略したものになります。
「粒々辛苦」の使い方
「粒々辛苦」は名詞としてや動詞として使われています。
「意匠惨澹(いしょうさんたん)」とは?
「意匠惨澹」とは、「作品を創作するとき、四苦八苦しながらする工夫」や転じて、「物事に工夫を凝らすためにあれやこれやと苦心すること」を意味する言葉であり、「意匠惨憺」とも表記されます。
「意匠(いしょう)」は「工夫を凝らすこと」を表し、「惨澹(さんたん)」は「いたましいこと」や「嘆かわしいこと」、「苦心して思い悩む様」を表しています。
出典は杜甫による中国古典「丹青引」になります。
「意匠惨澹」の使い方
「意匠惨澹」は名詞や動詞として使われています。
「粒々辛苦」と「意匠惨澹」の違い
「粒々辛苦」は「コツコツ努力を積み重ね、苦労をすること」という意味を表し、「意匠惨澹」は「工夫を凝らそうと思考を巡らし、苦心すること」という意味を表します。
どちらの四字熟語にも「苦労する」という意味が含まれていますが、ニュアンスに微妙な違いがあると言えます。
「粒々辛苦」の例文
・『彼は粒々辛苦の末に夢を叶えた』
・『彼女は今の生活を手に入れるまでに粒々辛苦したそうだ』
「意匠惨澹」の例文
・『この人物は国を復興するために意匠惨澹した』
・『この作品からは作者の意匠惨澹が感じ取れる』
まとめ
「粒々辛苦」は「穀物のひと粒ひと粒は農民の努力と苦労の末に実ったものであること」や「細かな努力を積み重ね、多大な苦労をすること」を意味する四字熟語です。
そして、「意匠惨澹」は「作品を創作するとき、四苦八苦しながらする工夫」や「物事に工夫を凝らすためにあれやこれやと苦心すること」を意味する四字熟語です。
努力を積み重ねての苦労なのか、工夫を凝らそうとしての苦労なのかという点に2語の違いが見られました。