「先憂後楽」と「先難後獲」の違いとは?分かりやすく解釈

「先憂後楽」と「先難後獲」の違いとは?分かりやすく解釈違い

「先憂後楽」「先難後獲」はどちらも先と後を含む言葉ですが、それぞれ何を意味するのでしょうか。

今回は、「先憂後楽」「先難後獲」の違いを解説します。

「先憂後楽」とは?

「先憂後楽」とは、「民衆よりも先に悲しみ民衆よりも後に楽しむ為政者の心構えを説く言葉」です。


「先憂後楽」の使い方

人の上に立ち民衆を統治する為政者が使う表現で、自らの喜びを後回しにし悲しみを先取ることの大切さを示す表現です。

人の上に立つ者にとって優先するべきは自分の感情ではなく民衆であり喜ばしいことは民衆を優先し悲しいことや辛い出来事は率先して自らが引き受ける、という為政者の覚悟と心構えを表しています。

もともとは中国の北宋時代の政治家である范仲淹が述べた言葉で現在でも政治家や役人の心得として伝えられている言葉です。

「先に憂いを片付けておけば後で楽ができる」という意味でも使われます。


「先難後獲」とは?

「先難後獲」とは、「困難を優先し利益を後回しにすること」を意味する言葉です。

「先難後獲」の使い方

難しいことや苦しいことを優先して処理し利益になることは後回しにする考え方を表します。

「難しいことを先にやらなければ利益を得られない」という意味のほか「自分の利益よりも他人の難事の解決を優先すべきである」という人助けの大切さを説く意味でも使われる表現です。

「先憂後楽」と「先難後獲」の違い

「先憂後楽」「先難後獲」はどちらも先と後を含む言葉ですが「先憂後楽」は民衆に対する為政者の行動を表しているのに対し「先難後獲」は優先順位を表しているという違いがあります。

「先憂後楽」は民衆と為政者の関係性ですが「先難後獲」は困難と利益の順番を表しており、同じ先と後でも意味合いは全く異なります。

まとめ

「先憂後楽」「先難後獲」は同じ先と後を含む言葉でも意味は大きく違います。

どちらも日常ではあまり使わない表現ですが意味を正しく理解し使い分けてください。

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