証券取引の世界には、独特の用語ややり方があります。
その中でも特徴的なのが、将来行われる取引を前もって決めてしまう「着地取引」であり、売った債権を将来買い戻すことを決めて行う「現先取引」です。
それでは、この「着地取引」とはどういう意味でしょうか。
また、「現先取引」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「着地取引」と「現先取引」の違いを分かりやすく説明していきます。
「着地取引」とは?
「着地取引」とは、債権取引の契約の一つであり、将来の時期にあらかじめ決められた条件で取引を行うことを指す言葉です。
「着地取引」として行われるのは約定日から1ヶ月以上先に取引が行われるものであり、長くても6ヶ月先には行う必要があります。
「現先取引」とは?
「現先取引」とは、債権取引の契約の一つであり、売買を行なったものを将来の決められた時期に決められた条件で、逆の取引、たとえば買った場合には買い戻してもらい、売った場合には買い戻させてもらうということを指す言葉です。
「着地取引」と「現先取引」の違い
「着地取引」と「現先取引」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、買い手と売り手が、将来の債権取引に関する取り決めをあらかじめ行うということは同じです。
しかし、そのやりかたが違います。
最も大きな違いは「着地取引」が、単一の売買に関してのものであるのに対して、「現先取引」が、売ったものを買い戻す、あるいは買ったものを売り戻すという行って帰っての取引であることです。
さらに、取引の期限に関しての規定も違い、「着地取引」が、1ヶ月以上で6ヶ月以内に取引を行うのに対して、「現先取引」はそのような期限はありません。
まとめ
この記事では、「着地取引」と「現先取引」の違いを、解説してきました。
この「着地取引」は、取引が可能になるまでの間の金利の変動を吸収するためのリスクヘッジとしての側面が強いものでしたが、最近ではそのほかにも多くのリスクヘッジの方法があるので、「着地取引」を行う必要もなくなっているのが現状と言えるでしょう。