「製鉄所」と言えば、昭和の時代の高度成長の中で製造業の先端の業種として栄えていましたが、今ではその時のような勢いはありません。
それでは、この「製鉄所」とはどういう意味でしょうか。
また、「製鋼所」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「製鉄所」と「製鋼所」の違いを分かりやすく説明していきます。
「製鉄所」とは?
「製鉄所」とは、元々は、鉄鉱石を高炉と呼ばれる高温の炉の中に入れて、溶かして全ての鉄製品の原料である「銑鉄」を作る工場のことを指す言葉です。
それ以降の工程は「製鋼所」受け持つのが以前のやり方でしたが、今では多くの「製鉄所」で全ての工程を実施できることが多くなっています。
「製鋼所」とは?
「製鋼所」とは、元々は、「製鉄所」で作られた「銑鉄」を加工して鉄製品を作る工場のことを言う言葉です。
したがって、本来は高炉を持たない施設が「製鋼所」でした。
「製鉄所」と「製鋼所」の違い
「製鉄所」と「製鋼所」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、鉄を作る場所をあらわすものであることは同じですが、根本的には、どの工程を受け持つかが違います。
すなわち、原材料となる鉄鉱石などを高炉で溶かして鉄製品の元となるものを作る場所が「製鉄所」で、そこから加工や別の金属を混合したりして、さまざまなものに使われる鉄を作る場所が「製鋼所」ということになります。
しかし、多くの場合は、すでにその区別は無く、昔からの名前をそのまま使っているために違う名前になってしまったというのが実情です。
まとめ
この記事では、「製鉄所」と「製鋼所」の違いを、解説してきました。
ある時期まで、製鉄業に従事する人のことを、斜に構えた言い方で「鉄屋」と言ったりしました。
この言葉は、元々は鎌倉時代まで遡ります。
当時、高度な技術を持った鋳物師が集団で生活する場があり、その集団のことを「鉄屋」と呼んだのが始まりだと言われています。