商社の会社名でよく使われている言葉として「商事」と「物産」があります。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しているのでしょうか。
今回は、「商事」と「物産」の違いを解説します。
「商事」とは?
「商事」とは、「モノやサービスの取引で利益を得る会社」を意味する言葉です。
「商事」の使い方
本来の「商事」は「商いすること」を意味し、業種や業態に限らずビジネス全般を表します。
一般的には商いの中でもモノやサービスのやりとり、つまり流通によって利益を上げる会社を指す言葉として使われています。
取り扱う商品を自社で製造するのではなく他の所にある物やサービスを必要とする人の元に届けることで利益を上げる会社が「商事」です。
「物産」とは?
「物産」とは、「その土地で産出される品物を別の土地に運んで利益を上げる会社」を指す言葉です。
「物産」の使い方
その土地で製造されたり生産されたりする特徴的な品物のことを産物といいます。
生産される産物は地域によって偏りがあります。
寒い地域でしか取れない魚や暖かい地域でしか育たない果物、鉱山で採掘される鉱石など我々が普段の生活で利用している品物は地域と結びついており切っても切り離せない関係です。
ある土地の産物を別の土地に運んで販売し利益を得る会社が「物産」です。
「商事」と「物産」の違い
モノやサービスの流通を仲介して利益を上げる会社が「商事」、各地の産物を別の場所に運んで利益を上げる会社が「物産」です。
厳密に区別するならば実体のあるものだけでなくサービスやデータなど実体がないものも商うのが「商事」、食料品や機械など実体を持つ産物を取り扱うのが「物産」という違いで区別されます。
「商事」の例文
・『商事会社に仲介を依頼する』
・『商事会社は人材の仲介も手掛けている』
「物産」の例文
・『大手の物産がエネルギー資源の確保に成功した』
・『物産会社は世界各地に社員を派遣している』
まとめ
「商事」と「物産」は異なるビジネスで利益を上げる会社です。
現在は多角化が進みほとんど違いはありませんが、それぞれどんな会社を指すのか本来の意味を知っておきましょう。