この記事では、「俗字」と「異体字」の違いを分かりやすく説明していきます。
「俗字(ぞくじ)」とは?
「俗字」とは、「正字ではないが、世間一般に用いられている漢字」を意味する言葉です。
ちなみに、「正字(せいじ)」は「正しい書き方をした漢字」や「略字や俗字に対する正式の字」という意味を表す言葉です。
例として、「裏」は「裡」、「館」は「舘」、「倅」は「伜」、「来」は「耒」と「俗字」で表記します。
「俗字」の使い方
「俗字」は正規の用法ではありませんが、世間一般では普通に用いることのできる漢字です。
「異体字(いたいじ)」とは?
「異体字」とは、「標準の字体とは異なるが、意味や発音が同じであるため、通用する漢字」を意味する言葉です。
「標準の字体」=「正字」に対して、「異体字」は「俗字」と呼ばれることもあります。
例として、「涙」と「泪」、「峰」と「峯」、「一」と「弌」、「淵」と「渕」、「高」と「髙」と「異体字」で表記します。
広義では、「標準的な字体とは異なる字体の平仮名や片仮名」である「異体仮名(いたいがな)」を含めるこケースもあります。
「異体字」の使い方
「異体字」は標準の字体ではありませんが、用いることのできる漢字です。
「俗字」と「異体字」の違い
「広」と「廣」や「円」と「圓」など、一部の漢字には「標準の字体」と「標準の字体ではないが、用いることのできる字体」を持つものがあります。
このうち、「標準の字体」のことを「正字」と呼び、「標準ではない字体」のことを「俗字」や「異体字」と呼ぶのです。
まとめ
「俗字」は「正字ではないが、世間一般に用いられている漢字」を意味する言葉です。
そして、「異体字」は「標準の字体とは異なるが、意味や発音が同じであるため、通用する漢字」を意味する言葉です。
どちらも、「標準の字体」=「正字」に対して、「標準ではない字体」のことを指して用いられています。