この記事では、「生薬」と「漢方」の違いについて紹介します。
生薬とは?
生薬とは、薬効を持つ植物や鉱物、動物などを簡単に加工して作った薬のことをいいます。
この場合の加工は、乾燥させたり刻んだり、砕いたりすることです。
蒸したり熱を加えることもあり、こういった加工のことを修治(しゅうち)といいます。
生薬は漢方薬の原料として知られていますが、世界各地にある伝統医療に用いられます。
例えば、陳皮(ちんぴ)は、ミカンの皮を乾燥させて作った生薬です。
天然の植物や鉱物などを用いるため、産地や使用する部位などによって効能が変わることもあります。
生薬は、体質を改善するために用いられることが多いです。
漢方とは?
漢方とは、中国を中心に発展した中医薬学に基づいて日本で独自に発展した伝統医療のことをいいます。
漢方という言葉が生まれたのは江戸時代で、オランダから伝わった医学の蘭方と区別するために漢方が生まれました。
漢方では、複数の生薬を組み合わせた漢方薬が処方されます。
また、漢方薬のことを漢方といったりもします。
漢方を医学としてとらえると、鍼灸や食養生なども含まれます。
漢方では人の体も自然の一部としてとらえ、具合の悪い部分だけに注目するのではなく体全体のバランスを整えるという考え方をします。
体本来が持っている働きを高め、自身の力で体を正常な状態にしようというものです。
未病と呼ばれるまだ発病していないものの、軽い不調がある状態にも漢方薬は用いられます。
生薬と漢方の違い
生薬は天然の植物や鉱物などから作られる薬で、生薬を組み合わせて作るのが漢方薬になります。
漢方は漢方薬を指す場合もありますが、中国の医学を元に日本で発展した伝統医療のことを指す場合もあります。
生薬というと漢方のイメージがありますが、生薬は民間薬などにも用いられています。
まとめ
漢方で用いられる漢方薬は、複数の生薬を組み合わせたものです。