生きている化石といわれる生物の中でも最も有名なものは「カブトガニ」でしょう。
その独特の形状は一眼見たら忘れられません。
それでは、この「カブトガニ」とはどういう意味でしょうか。
また、似たような姿の古代生物の「三葉虫」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「三葉虫」と「カブトガニ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「三葉虫」とは?
「三葉虫」とは、なんと5億年から2億年前までの地球の遠浅の海に生息していた古代の節足動物の一種です。
名前の由来は、背の中央と両側に葉っぱのような形状の甲羅をもっていることからです。
現在では、直接の系統は絶滅して、その他の節足動物とは直接の先祖関係は無いと言われています。
「カブトガニ」とは?
「カブトガニ」とは、すでに2億年前から地球に存在している節足動物の一種で、古代からその形が変わっていないことで「生きている化石」と言われている生物です。
カニの甲羅のような硬い背甲に覆われ、長い尻尾状の尾剣が特徴的です。
現在では岡山県笠岡市、大分県中津市、山口県下関市などに4000尾ほどが生息していると言われています。
「三葉虫」と「カブトガニ」の違い
「三葉虫」と「カブトガニ」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、数億年前から地球上に存在している生物であることには違いがありません。
一説には「三葉虫」は「カブトガニ」の祖先という説もあります。
しかし、現在では、古代の節足動物は、早いうちから分化し、「三葉虫」の祖先、昆虫の祖先、ムカデなどの多足類の祖先、エビ、カニなどの祖先、そして、クモの祖先として存在しており、そのうちのクモの祖先の生物から「カブトガニ」が進化したというのが有力になっています。
そして、「三葉虫」の系統はその後絶滅してしまったため、極めて近縁だったクモの系統に「カブトガニ」が現れたということです。
まとめ
この記事では、「三葉虫」と「カブトガニ」の違いを、解説してきました。
前述のように、「カブトガニ」の祖先に関しては、いくつかの説があります。
その中でも最近主流になりつつあるのが、「近縁説」です。
すなわち、「三葉虫」は「カブトガニ」の直接の祖先ではないという説です。
しかし、今でも「カブトガニ」の祖先は「三葉虫」であるというのは主要な説の一つではあります。
どちらも有名な生物なので、先祖の関係なら妙に納得するとも言えます。