「歩留まり」と「不良率」は工場で物を生産するときなどに使う言葉です。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しているのでしょうか。
今回は、「歩留まり」と「不良率」の違いを解説します。
「歩留まり」とは?
「歩留まり」とは、「投入した原料から期待される量に対し実際に得られた生産量」を指す言葉です。
「歩留まり」の使い方
工場や加工場では原料を別の形に加工して製品を生産します。
製品の生産量は投入する原料の量によって決まりますが、理論上期待される生産量と実際の生産量は必ずしも一致しません。
生産工程でロスが発生したり出来の悪いものが混じったりなど製品として使えない部分が出てくるため実際に得られる量は理論上期待される量よりも少なくなります。
理論上期待される生産量に対する実際に得られた生産量のことを「歩留まり」といいます。
「不良率」とは?
「不良率」とは、「生産量に対する不良品の割合」を指す言葉です。
「不良率」の使い方
生産される製品のうち正常に動作しないものや形状の悪いものなど出荷に適さないものを不良品といいます。
どんなに優れた生産設備でも不良品をゼロにするのは不可能で生産した製品にいくつかの不良品が混じるのが普通です。
生産量に占める不良品の割合を示す言葉が「不良率」です。
生産量の全てが不良品であれば「不良率」は100%になります。
「歩留まり」と「不良率」の違い
投入した原料に対して得られた生産量が「歩留まり」、生産量に占める不良品の割合が「不良率」という違いで区別されます。
製品として問題がなく出荷に適する物のことを「良品」といいます。
期待される生産量から製造工程でのロスと不良品を引いた良品の量が「歩留まり」なので、生産工程でのロスが一切発生しなければ「歩留まり」と「不良率」は逆数の関係です。
「歩留まり」の例文
・『歩留まりの改善を目指す』
・『歩留まりが良くなり利益も向上した』
「不良率」の例文
・『不良率ゼロが目標である』
・『原料を切り替えてから不良率が激減した』
まとめ
「歩留まり」と「不良率」はどちらも生産効率の目安として重要な数値です。
それぞれ何を表しているのかを正しく理解し使い分けてください。