「自任」と「自認」は使い分けに迷いがちな表現です。
同じ読み方を持つ2つの言葉にはどのような意味の違いがあり何を基準に使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「自任」と「自認」の違いを解説します。
「自任」とは?
「自任」とは、「自分がそうであると信じて思い込むこと」を意味する言葉です。
「自任」の使い方
状態や性質が特定のものであると自分自身で思い込み信じることを指します。
判断の基準は自分の感覚なので周囲から見てどのようであろうとも本人がそうだと思い込んでいれば「自任」と表現します。
一般的には目に見えない性質や特性に対して前向きな意味で用いられる表現で、誰から言われるともなく自分自身でそのように思い込み信じている様子を表す時に使う表現です。
「自認」とは?
「自認」とは、「自分で認めること」を意味する言葉です。
「自認」の使い方
自分自身に関係する事柄を自分で認めることを指します。
基本的には客観的に判断できる物事に対して用いられる表現で、周囲からそうであると認められることに加えて自分自身もそうだと認める様子を示す表現です。
外から見て判断できるものに対してのみ使われる表現であり、目を背けたい事実を渋々ながら認めるといった後ろ向きな要素が含まれます。
「自任」と「自認」の違い
「自任」と「自認」の違いは「周囲の認識」です。
他人がどのように認識しているかにかかわらず自分自身でそうだと信じ思い込むのが「自任」、周囲が認識している自分に関することを自分自身も同じように認識するのが「自認」という違いで区別されます。
「自任」は独りよがりですがポジティブな要素が含まれるのに対し、「自認」には認めざるを得ないというネガティブなニュアンスが含まれています。
「自任」の例文
・『正義の味方を自任する』
・『一番のファンだと自任する』
「自認」の例文
・『肝心なところでミスしてしまう性格だという自認がある』
・『責任の重い立場にいることを自認した』
まとめ
「自任」と「自認」は似たような意味で使われることが多く混同しがちですがはっきりとした基準で区別されています。
言葉の違いを正しく理解して使い分けましょう。