夜に花を咲かせないのがクジャクサボテン?
この記事では、「月下美人」と「クジャクサボテン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「月下美人」とは?
「A queen of the night」、四字熟語に形容されるほどに華やかな雰囲気を持つ花だと言っていいでしょう。
メキシコ南部の熱帯雨林産のサボテン科のクジャクサボテン属に該当します。
原種であり、自家不和合性の性質を持ち合わせているため、1980年代半ばまでは果実を実らせる事ができない植物として極めて有名だった過去を持ちます。
四字熟語に喩えられているとおり、花は夜に華々しく咲いて朝はしぼんでしまいます。
「クジャクサボテン」とは?
サボテン科であり、クジャクサボテン属を形成。
原種は中南米の広域に植生しており、日本で見掛けるのは野生種を掛け合わせたいわば雑種・園芸種だと思ってかまいません。
日本語では「孔雀仙人掌」表記のため、孔雀ならびに同属の「月下美人」に因んだ女性的な名称の品種ご多いと言えるでしょう。
「月下美人」と「クジャクサボテン」の違い
「月下美人」と「クジャクサボテン」の違いを、分かりやすく解説します。
広義にいえば「クジャクサボテン」属を構成する一種として「月下美人は存在します。
また日本に存在する「月下美人」は原種を人工授粉して増やしたものがほとんどです。
その一方で「クジャクサボテン」は「月下美人」を含めた10数種類の「クジャクサボテン」属の植物を掛け合わせた園芸植物・人工的な新種であると言っていいでしょう。
また「クジャクサボテン」の原種は基本的には夜咲いて朝萎む特質を持っていますが、人の手が入った人工種は昼咲くものが多くなります。
大きな美しい花を咲かすのは共通項ですが、現在の日本におけるクジャクサボテンはあくまでも園芸植物だと言っていいでしょう。
まとめ
「月下美人」は原種株が少なかった頃は同一クローンであるがゆえに自家不和合性を持っていました。
現在は複数のクローンがメキシコから導入された事で果実が食用として扱われるほどにその数を増やしています。
クローンですが原種であるのは間違いありません。
「クジャクサボテン」は「クジャクサボテン」属の植物を指し示すとともに、日本では原種ではなく、改良された園芸種が一般的になっています。
このためクジャクサボテン属のほとんどが持つ夜咲いて朝萎む性質を持ったものは少ないと言えるでしょう。