挨拶の手紙の中でしか使用しない表現はたくさんあり、そのような手紙を書く機会がない人にとっては、どう使ってよいか不明なものもあります。
例えば「ご厚情」や「ご厚誼」とはどう意味なのでしょうか。
2つの違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「ご厚情」と「ご厚誼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご厚情」とは?
「ご厚情」とは、主に改まった文章の中で使用される敬語で、「厚い心遣い」と言う意味になります。
通常は、「平素よりご厚情を賜り、心より御礼申し上げます」というようにお礼の言葉が続きます。
日常的な言葉ではないので、挨拶文のような目上の人への手紙の中でしか見ることがありません。
「ご厚誼」とは?
「ご厚誼」とは、主に改まった文章の中で使われる言葉で、「厚いお付き合い」と言う意味の敬語です。
通常は、「並々ならぬご厚誼を賜り、恐縮至極です」のように感謝の言葉が続きます。
やはり、硬い言葉が多いタイプお手紙にしか使われません。
「ご厚情」と「ご厚誼」の違い
「ご厚情」と「ご厚誼」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ともに相手の心遣いに関してお礼を述べるときに使われる敬語ですが、意味は違います。
その違いは「情」と「誼」の違いと言ってもよいでしょう。
すなわち、「ご厚情」は「情け」に対するもので、「ご厚誼」は「親しくしてくれた」ことに対するものです。
したがって、結果的に「ご厚誼」の方が近い付き合いのように見えますが、「ご厚情」の方は、「思いが強い」とも言えます。
まとめ
この記事では、「ご厚情」と「ご厚誼」の違いを、解説してきました。
これらの言葉は、すでに本来の意味はあまり重要では無く、自分にとってその人がどのくらいお世話になった人なのか、どのくらい近い存在なのかによって、あらかじめ決まっている言葉を使うだけであると言ってもよいでしょう。
例えば、論文を見てもらっただけの大学の恩師に対しては「ご厚誼」、2年間下宿させてもらった大学の先生には「ご厚情」と言う具合になります。