「移民」と「亡命」はどちらも国境を超えた人の移動を表す言葉です。
2つの言葉はどのような意味の違いで使い分ければ良いのでしょうか「亡命」今回は、「移民」と「亡命」の違いを解説します。
「移民」とは?
「移民」とは、「ある国から別の国へと移り住むこと」を意味する言葉です。
「移民」の使い方
現在住んでいる国もしくは生まれた国から別の国に移り住むことを指します。
国境をまたいだ国家間の移動を表す言葉で、同じ国内で別の場所に移り住むことを「移民」とは言いません。
基準としてはある国から離れて別の国に12ヶ月以上住む行為が「移民」で12ヶ月以下の短期滞在は「移民」にカウントされません。
通常はその土地に長期間居住することを前提に移り住む事を指す言葉です。
任期が存在する海外駐在のような期間を限定しての移動ではなく現地に骨を埋めるつもりでの移動を「移民」と表現します。
「亡命」とは?
「亡命」とは、「何らかの理由によりその国に滞在できなくなった人が他国に脱出すること」を意味する言葉です。
「亡命」の使い方
政治的な理由や宗教的な事情などによりその国に滞在することが難しくなった人が身の安全を守るため他国へ逃れることを指します。
身に迫る危機を脱出するための行為であり他国への避難にあたる行為が「亡命」です。
一般的には短期滞在ではなくその国への居住を前提とした長期的な滞在を「亡命」といい、場所の移動だけではなく国籍の変更などの手続きも含みます。
高度に政治的な事情が絡むため申請したからといって必ず受け入れられるとは限りません。
「移民」と「亡命」の違い
合法的な形で海外に移り住むのが「移民」、滞在できなくなった国を逃れて他国へ緊急避難的に逃れるのが「亡命」という違いで区別されます。
「移民」は通常のルートで入国するのに対し、「亡命」は通常の手続きとは異なる特別ルートで入国申請するのが大きな違いです。
「移民」の例文
・『移民受け入れについて議論が行われる』
・『地元民と移民との間で対立が起きている』
「亡命」の例文
・『政治弾圧を受けて亡命を決意する』
・『クーデターの前に大統領は他国に亡命していた』
まとめ
同じ海外での移動でも「移民」と「亡命」では目的が全く違います。
何のために外国に移動するのかを基準にして2つの言葉を使い分けてください。