この記事では、「切腹」【せっぷく】と「割腹」【かっぷく】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「切腹」とは?意味
鋭利な刃物で自分の腹を切って死ぬことを「切腹」【せっぷく】といいます。
武士は死を持って詫びるとき、自分の刀で腹を切り裂いて心臓の動きを止めるわけです。
また、追い込まれたときは人に切られて死ぬくらいなら、武士の名に恥じぬよう自分で腹を切って死ぬとき使われていた手法でした。
武士が「切腹」する前は、酒を飲み干して体を清めてから行うのが一般的です。
「割腹」とは?意味
腹を割るようにして切って死ぬことを「割腹」【かっぷく】といいます。
政治に不満がある者が、自分の気持ちを訴えて改善させるためあえて人前で腹を切り、高らかに考えを言い残した後、自ら手にした包丁や刀で腹を切る行為を見せるわけです。
主に、自殺したいと思う者が武士の真似事して腹を切って息の根を止めたり、死刑囚に痛みを持って刑罰を与える方法として使われていた手法になります。
「切腹」と「割腹」の違い
「切腹」と「割腹」の違いを、分かりやすく解説します。
腹を一文字に切るやり方と、十文字腹という方法の2種類の切り方があるのが「切腹」です。
十文字腹では、腹を横に切った後、ヘソに向かってみぞおちから縦に切ります。
武士が「切腹」しても絶命できないときは、刀で首を斬り落とす役目の者が息の根を止めました。
このようなことをする理由には、義理を通したり、死を持って部下のあやまちに責任を果たすため行われたのです。
もう一方の「割腹」は、社会に対する不満や、政治家への理不尽な考えを変えさせるため行う自殺行為になります。
「切腹」の例文
・『武士の美学として行われていた切腹はすぐに絶命しない』
・『北面に正座して、湯漬けした膳を食べてから切腹する』
「割腹」の例文
・『三島由紀夫は割腹自殺によって後世に残る作品を完成させた』
・『森田必勝もまた、憲法改正するため割腹して死を遂げた』
まとめ
どちらも自ら腹を鋭利な刃物で切って自殺するときの方法ですが、やり方や意味に違いがありますので、自分なりに使い分けてみるといいでしょう。