「世論」と「公論」の違いとは?分かりやすく解釈

「世論」と「公論」の違いとは?違い

このところ、騒がれているのはSNSの功罪に関してですが、最もおおきな勘違いはSNSで大きく取り上げられて、たくさんの支持者がいるような意見や立場が正しいとはかぎらないことです。

この記事では、「世論」「公論」の違いを分かりやすく説明していきます。

「世論」とは?

「世論」とは、「世の中の大方を占める意見」という意味の言葉です。

「せろん」あるいは「よろん」の両方がメジャーな読み方として定着しているいうことにおいては珍しい言葉と言えます。

「大方を占める」という部分に関しては、明確な基準があるわけではないので、大々的なアンケートなどの結果ではなく、単なる印象としての見方が許されているので、たとえば大きなメディアで「世論では」と断れば、その記者の個人的な意見でも良いというあいまいさはあります。

英語では「public opinion」が近いでしょう。


「公論」とは?

「公論」とは、「公において共通の意見」という意味の言葉で、特に明治時代において頻繁に使用されていた言葉で、現在でも「中央公論」のような名前に残っています。

しかし、現代においては、ほぼ使われることはなくなっています。

「公」という漢字には「国家や体制の全体」という意味があるので、「おおやけの意見」というのは「国全体の意見」とイコールであるというのが前提になります。

英語では、「世論」と同じ「public opinion」あるいは「popular opinion」と言います。


「世論」と「公論」の違い

「世論」「公論」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、世間において大勢を占める意見という意味では同じで、さらに多くに場面において置き換えても意味は変わらないことからも、大きな違いはありません。

しかし、ニュアンスの違いとして「公論」には、もともと「正当な意見」という意味が含まれていますが、「世論」「世の中の大勢」という意味しかないので、間違っているかもしれない意見という状況においては「公論」は使われません。

ただ、「公論」という言葉は、きわめて特殊なシチュエーションでしか使われることが無くなっているので、「公論」のもともとの意味も「世論」で代替しているという状況はあります。

まとめ

この記事では、「世論」「公論」の違いに関して説明してきました。

序文でも述べたように、SNS全盛の現代においては「声は大きいこと」「正しいこと」に直結してしまうことが多く、それは危険なことです。

重要なのは、自分の考え方のなかで絶対譲れないポイントを明確にすることではないでしょうか。

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