海に囲まれている日本は「高潮」「津波」などの災害が起こりやすいのですが、これらはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「高潮」と「津波」の違いを分かりやすく説明していきます。
「高潮」とは?
「高潮」(たかしお)とは、強い低気圧や強風によって海全体の水位が高くなる現象のことです。
大気圧(大気の重さ)が大きく低下することで海面が上に吸い上げられ、水位が高くなって「高潮」が起こります。
大気圧が1hPa低くなると海面は約1cm高くなり、強い低気圧によって発生する台風の時に「高潮」が起こります。
また強風が吹き続けた時にも波が押し出されて盛り上がり、「高潮」が起こりやすくなります。
「高潮」が起こると徐々に海面が高くなり、波がうねったり海面の水位が異常に高くなったりし、船舶や沿岸部に家屋を巻き込んで破壊するなどの被害がもたらされます。
「津波」とは?
「津波」(つなみ)とは、地震が起きた時に地殻が動いて海水も動かされ、海面が盛り上がる現象のことです。
海底の下にある地殻(地球の外層)が大きく動く時に地震が起こりますが、地殻が急激に変化するために海水が押し上げられ、大きな波のかたまりとなって押し寄せる「津波」が起こります。
「津波」が起こると、大きな波が海上から陸地へ向かって押し寄せ、陸地の浸水、家屋の破壊などの大きな被害をもたらします。
津波は進むのが速く、陸地の水深が浅いところへ近づくほど波が高くなるため、沿岸部の地域に深刻な被害をもたらしがちです。
海外の遠方にある地域で地震が起きた時に、日本で「津波」が発生することがあるので、「津波」の来やすい地域は注意が必要です。
「高潮」と「津波」の違い
「高潮」と「津波」の違いを、分かりやすく解説します。
一言で言うと「高潮」と「津波」は、発生のメカニズムと被害の大きさが異なります。
「高潮」は強い低気圧または強風によって水位が高くなる現象です。
「津波」は地震などで地殻が変動した衝撃で大きな波が陸地へ押し寄せる現象です。
「高潮」は波の動きがゆっくりで、気象予報によって大気や風の動きから発生を予測し、防災対策をすることが可能です。
一方「津波」は地震がいつどこで発生するかの正確な予測が難しく、大きな波が急速に押し寄せることもあるため、大きな被害をもたらしやすい点が「津波」と異なっています。
まとめ
「高潮」と「津波」は、海面の波が高くなるところが共通していますが、発生するメカニズムと被害の大きさに違いがみられます。
どちらも危険な災害であり、注意報や警報が発令された場合は沿岸部に近づかないなどの対策が必要です。