「公領」と「荘園」の違いとは?分かりやすく解釈

「公領」と「荘園」の違いとは?違い

「公領」というのは領地に関する言葉であることはわかりますが、公の土地のことように思えます。

一方「荘園」はこれとは全く違う次元の呼び方ではないかと思ってしまいますが、実は関係が深い言葉なのです。

この記事では、「公領」「荘園」の違いを分かりやすく説明していきます。

「公領」とは?

「公領」とは、文字通り「公の領地」という意味で、日本の古代から中世にかけて存在していた中央政府が直接管理する土地のことを呼んだ言葉です。

始まりは大化の改新で成立した天皇による中央集権です。

この時、各地の豪族が支配していた土地を全て没収して政府の所有としましたが、その後、管理に経費や人員が必要であることで負担になったため、後述の「荘園制度」に移行することになりました。


「荘園」とは?

「荘園」とは、日本の中世において全て中央政府が支配、管理していた土地の永年の私有が認められたことをきっかけに始まり、平安時代と鎌倉時代を通して発展してきた仕組みで、地方の有力者が土地をベースに住人を支配するような制度です。

基本には住民が土地の所有を有力な貴族等に託すことによって守られるというスキームがありました。


「公領」と「荘園」の違い

「公領」「荘園」の違いを、分かりやすく解説します。

歴史の授業で習ったように、「荘園制」「荘園公領制」と呼ぶことからもこの2つが対峙しているということはわかります。

定義は明確で、この時代に国が所有して管理していた土地である「公領」があり、それに対して地方の有力者が所有して直接支配した土地が「荘園」です。

つまり、「荘園」は中央の支配から地方分権への変化において誕生したのです。

まとめ

この記事では、「公領」「荘園」の違いを、解説してきました。

この2つがある意味では対義語の関係にあることは前述の通りですが、それではこの関係はいつなくなったのでしょうか。

そのきっかけは、豊臣秀吉の時代行われた「太閤検地」だと言われています。

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