「対策」と「対応」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「対策」と「対応」の違い生活・教育

この記事では、「対策」「対応」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「対策」と「対応」の違い

「対策」とは、相手や状況にあわせた、目的を達成させるためのやり方のことです。

「対応」の意味は主に3つあります。

1つめは、同じ性質のものが2つあり、一組になっていることです。

2つめは、2つのもののつりあいがとれていることです。

3つめは、相手や状況にあわせて動作や行動などをやることです。

2つの言葉は似たような意味なのですが、やや意味合いが違います。

「対策」はやり方についてを意味する言葉です。

たとえば、津波の被害を最小限に抑えるためには、防波堤や海岸堤防の高さを上げたり強化したりする、非難ルートを点検する、避難場所を確保するなどの方法があります。

これらの方法のことを指して「対策」といいます。

「対応」にはいくつかの意味がありますが、「対策」と意味が似ているのは、相手や状況にあわせて動作や行動などをやることという意味です。

方法や手段のことをいっているのではなく、行動することを意味しています。

たとえば、津波が来ると予想されるときには、高い場所に逃げるなどの行動をすることです。


「対策」と「対応」の使い方の違い

相手や状況にあわせたやり方のことについて「対策」を使用します。

相手や状況にあわせて行動することについて「対応」を使用します。

また、「対応」は2つのものが一組になっていることや、つりあいがとれていることについても使用される言葉です。


「対策」と「対応」の英語表記の違い

「対策」は英語で“measures”“step”と表現をします。

「対応」は英語で、つりあっている意味では“correspondence”と表現をし、行動することの意味では何に「対応」するのかによって表現が異なり、“deal”などと表現をします。

「対策」の意味

「対策」とは、相手や状況などにあわせたやり方のことです。

インフルエンザにかからないようにするための方法には、手洗い・うがいを行う、ワクチン接種をする、人込みを避ける、咳エチケットを徹底するなどがあります。

この手洗いを行うなどの方法のことを意味する言葉です。

日本は出生率が年々低下しており、少子化が進んでいます。

そのため、政府では少子化を何とかしようと方法が考えられています。

具体的な手段として、産休中の負担の軽減、産後ケアの充実、小児医療の充実、出産や妊娠に関する正しい知識の教育、マタニティーマークの普及などをあげています。

産後ケアの充実、正しい知識の教育など、ひとつひとつの手段のことを「対策」は意味しています。

もっと身近なところで、害虫を防ぐやり方のことで考えてみます。

ゴキブリは多くの人に嫌われている害虫です。

ゴキブリが繁殖をすると雑菌や細菌によって体調を悪くする恐れがあります。

そのため、ゴキブリが繁殖しないように、何らかの手段・方法をとる必要がでてきます。

具体的には、食品や使った食器を放置しない、冷蔵庫の裏やコンロの下など普段掃除しない場所をきれいにしておく、生ごみはすぐに処分するなどのやり方があります。

これらひとつひとつのやり方のことを意味する言葉です。

やり方のことについていで、実際にやるか・やらないかは意味に含まれていません。

「対策」の使い方

相手や状況にあわせたやり方のことについて使用をします。

相手や状況を考えていないやり方のことを意味しているのではないので、相手や状況を考えていないときには、使用しないことが一般的です。

「対策」を使った例文

・『高めの血圧への対策を考える』
・『シミ対策のために気を付けること』
・『ぎっくり腰への対策』
・『これでは対策が不十分だ』

「対策」の類語

「方策」とは、方法や手段のことです。

公的なことに使用することが多くあります。

「施策」とは、計画を立てて実際にやることです。

政治について使うことが多くあります。

「企て」とは、何かをするために前もって決めておくこと、またその内容です。

「対策」の対義語

「無策」が対義語です。

ある場面での適切なやり方を持っていないことという意味があります。

「対応」の意味

「対応」の意味は、主に3つあります。

1つめは、同じ性質のものが向かい合って一組になることです。

四角形は4つの辺で構成されています。

ある1辺は別の1辺と向き合っています。

このような関係を意味しています。

2つめは、2つのもののつりあいがとれていることです。

手紙では、頭語と結語が決まっています。

拝啓という頭語に対しては、敬具、敬白、拝具などが使われ、前略に対しては、草々やかしこなどが使われます。

このような関係のことを意味しています。

3つめの意味は、相手や状況にあわせて何かをやることです。

購入した商品に問題があったとき、購入者は購入した店や製品を製造している会社にクレームをいうことがあります。

クレームに対して適切な行動をとらないと、店や会社の印象が悪くなります。

そこで、相手にあわせて適切な行動をとることになります。

たとえば、謝罪の言葉を述べる、お詫びの品や代わりの商品を渡すなどです。

こういった行動をすることを意味する言葉です。

「対応」の使い方

いくつもの意味があり、さまざまな場面で使用されています。

3つめの意味では、やり方ではなく行動のことを指して使用します。

たとえば、すり傷ができたときには、水で洗って傷口をきれいにする、絆創膏を貼るなどの行動をとりますが、このように実際にやっていることを指して使用する言葉です。

「対応」を使った例文

・『この機材に対応をしているのか調べる』
・『彼の対応が素晴らしい』
・『洗剤や柔軟剤の自動投入に対応をしています』
・『アルバイト定員が客の対応をする』

「対応」の類語

「対処」が類語です。

ある状況によくあっている手段をとって、始末をつけることという意味があります。

「対応」の対義語

「未対応」が対義語です。

まとめ

人やそのときどきの様子にあわせてという意味を持つ2つの言葉ですが、「対策」はやり方についてで、「対応」は行動することについてで、この点が違います。