この記事では、「士」と「師」の違いを分かりやすく説明していきます。
「士」とは?
「士」とは「おとこ」や「成年の男子」、「一人前の男子」、「さむらい」や「軍人」などの意味を含める漢字です。
意味の1つである「成年の男子」や「一人前の男子」に焦点を当てると、昔の時代では武芸や学問を身につけて「士官」し、国に仕えることが一人前の男としての証とされていました。
そのため、「兵士」や「武士」には「士」の字が用いられているのです。
転じて、「弁護士」や「会計士」など現代でも国家資格が必要な職業などには「士」の字が用いられ、才能を活かして官に仕える人という意味合いを表しています。
「師」とは?
「師」とは「先生」や「模範とするべき人」、「長」や「軍隊」などの意味を含める漢字です。
「師」はもともと「軍隊」という意味を表す漢字であり、古代中国の時代では2500人の部隊を「一師」としていました。
そのため、現代でも軍隊の部隊編制単位の1つに「師団」というものがあります。
「師」はやがて、「軍隊」から「集団」や「大勢」を意味するようになり、そこから転じて「大勢を教え導く人」や「先生」という意味でも用いられるようになったと言われています。
したがって、「師」は「教師」や「講師」、「牧師」など教える立場にある職業に対して使われる他、「美容師」や「漁師」などその道のプロや玄人という意味合いでも使われています。
「士」と「師」の違い
「士」は「成人の男子」や「一人前の男子」などを意味する漢字であり、「弁護士」など国家資格が必要な職業などに使われています。
対して、「師」は「先生」や「軍隊」などを意味する漢字であり、「教師」など教える立場にある職業や「美容師」などその道のプロという意味合いで使われています。
「士」の例文
・『彼は一旦社会人になった後、弁護士となった』
・『動画には任地へと赴く兵士たちの様子が映っていた』
「師」の例文
・『教師となって教鞭を取ることが私の幼い頃からの夢だった』
・『周囲の反対を振り切って、彼は漫才師になる道を選んだ』
まとめ
・ 「士」とは、「一人前の男子」などを意味する漢字であり、職業名としては「弁護士」など国家資格が必要な職業などに使われています。
・「師」とは、「先生」などを意味する漢字であり、職業名としては、「教師」など教える立場にある職業や「美容師」などその道のプロという意味を指して使われています。