この記事では、「グリス」と「オイル」の違いについて紹介します。
グリスとは?
グリスとは潤滑剤の一種で、オイルよりも粘度が高い液状潤油のことをいいます。
潤滑剤は、機械を円滑に動かすために使用するものです。
グリスは流動性が低く、常温だと半固体あるいは半流動体となります。
液状の潤滑油に増稠剤を加えて、均一に混ぜたものになります。
増稠剤は増粘剤とも呼ばれており、液体の粘性を高めるために添加します。
グリスは英語の「grease」を日本語読みしたもので、グリースと発音する場合もあります。
グリスは、機械の軸受やベアリング等に使用することが多いです。
潤滑面がスムーズに動くサポートをする役目を担っています。
グリスは、ベースとなるオイルと添加剤、増稠剤でできています。
ベースオイルに加える添加剤や増稠剤の種類によって、耐熱性や耐水性といった性質が変わってきます。
グリスには大きく分けて、石けん系と非石けん系があります。
JIS規格では、一般用・転がり軸受用・自動車用・ホイールベアリング用・集中給油用・高荷重用・ギヤコンパウンドの7種類に分類されています。
オイルとは?
オイルは潤滑剤の中でも液体潤滑剤のことを指しており、潤滑油とも呼ばれています。
潤滑剤には、液体潤滑剤の他にグリスやコンパウンドといった半固体潤滑剤、二硫化モリブデンやグラファイト等の個体潤滑剤があります。
単にオイルというと食用から工業用まで幅広く、その用途は様々です。
潤滑剤のオイルは、ベースとなる油に添加剤を加えて作られています。
機械の部品の間で働く摩擦を軽減するために用いられます。
摩擦が軽減することで、スムーズな動作が可能になります。
主に機械の歯車やスプロケット、チェーン等に使われています。
車のエンジンに使われるエンジンオイルもあります。
オイルは液状のため浸透しやすく、早く動くものに最適です。
グリスとオイルの違い
グリスもオイルも潤滑剤の一種ですが、グリスは常温だと半固体でオイルは液状です。
ベースとなる油に添加剤を加えたものがオイル(潤滑油)で、それに増稠剤を加えて均一に混ぜたものがグリスになります。
そのためグリスとオイルの違いは、増稠剤を加えているかどうかにあります。
増稠剤を加えることで粘度が高くなり、荷重がかかる場所にも向くようになるのです。
グリスは比較的低速度で、大荷重のものに適しています。
また、グリスには冷却作用はありませんが、オイルには冷却作用があります。
オイルは摩擦熱を吸収して、焼き付けを防いでくれます。
また、グリスに含まれる増稠剤は金属との親和性が良いので、オイルよりも金属の部材への吸着が良いという特徴があります。
まとめ
グリスとオイルの違いは、半固体か液状かにあります。
半固体なのがグリスで、液状なのがオイルです。
また、グリスはオイルに増稠剤を加えたものをいいます。
そのため増稠剤が入っているかに違いがあります。