みなさんは、「防火戸」と「防火扉」の言葉の違い、分かりますか?
この記事では、この言葉の意味や使い方、違いについて詳しく解説していきます。
「防火戸」とは?
「防火戸」は「ぼうかど」と読みます。
「防ぐ」+「火の手」+「戸」という文字の組み合わせから、「火災時に火の手がまわることを防ぐための戸」という意味を持ちます。
「防火戸」は、外壁に取り付けられることも多く、建物の出入り口付近に設置することで、近隣への延焼を防ぐ役目も果たしています。
「防火戸」の使い方
「防火戸」は、建物の規模や種類によって、設置場所や設置個所について法律で定められています。
「火災に関すること」ですので、消防法が思い当たりますが、建築基準法によるものです。
「防火戸」は、火災時に想定される「火の手の通り道」に対して設置されます。
ですから、この「防火戸」があれば、消防車が到着するまでの時間を稼ぐことが可能になります。
「防火扉」とは?
「防火扉」は「ぼうかとびら」と読みます。
法律上では、防火に関する戸や扉の施設を、正式名称として「防火戸」と呼んでいますが、開閉式の扉型防火施設が普及した背景もあって、「防火扉」という呼び方が広まりました。
ですから、現在では「防火戸」と「防火扉」は殆ど同意語として扱われています。
「防火扉」の使い方
「扉」という文字から、開閉式の扉型の防火施設というイメージがあります。
実際に設置されている「防火扉」にもいくつか種類はありますが、通常は扉が開いていて、火災を感知すると、出火場所や避難経路を踏まえて、自動で扉が閉まる仕組みになっています。
「防火戸」と「防火扉」の違い
法律上は、「防火戸」と表記されていますが、一般的な呼び方として「防火扉」が広まったことから、どちらも同じ意味合いの言葉として用いられています。
同じ「防火戸」であっても、「防火設備」と「特定防火設備」の2種類があります。
「防火設備の防火戸」は、耐火強度20分以上という条件があります。
火災が発生し火の手が迫り、「防火戸」が閉まってから20分は火の手を貫通しない、ということです。
消防車到着までの時間稼ぎとして生かせます。
一方で、「特定防火設備」の耐火強度条件は1時間です。
これだけあれば、多くの人が避難出来ますし、時間稼ぎとしては十分な働きがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「防火戸」と「防火扉」は、火災時に火の手から人命を守るために必要不可欠な防火設備であることが分かりました。
耐火強度1時間と聞くと、安心感を覚えますが、火災では「煙」により命を落とすケースがとても多いのが事実です。
「防火戸」と「防火扉」は、火の手を貫通しませんが、煙を完全に防ぐわけではありません。
ですから、過信は禁物です。
日頃から、避難経路の確認や防火設備の点検など、「備える」ことが最も重要であると言えるでしょう。