この記事では、「暗い」と「昏い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「暗い」とは?
「暗い」には複数の意味があります。
最も一般的な使い方は、明かりがなく、物が見えない状態を示すものです。
しかし、これが転じて、様々な用法で使用されるのです。
たとえば、色が暗いなどの色調を示すもの。
気持ちが暗い、性格が暗いなど、感情や人格を示すもの。
さらには、この分野に暗いなど、知識の不足を示すもの。
このように、「暗い」にはたくさんの使い方があるのです。
そのため、「暗い」と表現しても、どのような文脈で使用されるかによって、様々な意味に変化します。
これは、自分が使う側の場合でも、聞く側の場合でも、どのような意味で使用されているのかに、注意が必要だということなのです。
「昏い」とは?
それでは「昏い」とはなんでしょうか。
これは、「昏睡」、「昏迷」などに使われる漢字で、「暗い」と同じように「昏い」と使われ、「くらい」と読みます。
この言葉も、実は「暗い」と同じように、明るさ、色調、感情や人格、知識の不足を示す意味で使用できます。
この「昏い」という文字は、一般的には使用される機会が少ないものと言えます。
「昏(こん)」という音読みでは様々な熟語で使用されます。
しかし、「昏い」という訓読みで使用される場合は、大半のケースで「暗い」が使われますし、それで支障がないのです。
「暗い」と「昏い」の違い
それでは「暗い」と「昏い」の違いはどこにあるのでしょうか。
それは、明るさの程度の違いにあると言えます。
「暗い」が暗さの程度を示さない汎用的な言葉です。
これに対して「冥い」や「闇い」は「真っ暗」な状態を意味します。
そして、「ぼんやり暗い」状態を示すのが「昏い」なのです。
「黄昏(たそがれ)」という言葉で使われることからも、その微妙な暗さを示すニュアンスの違いが分かるのではないでしょうか。
「暗い」の例文
「暗い」を使用した例文を挙げます。
ここでは「物理的に光が少ない状態」を示した例文にしています。
しかし、これ以外にも様々な意味で使用できることを、認識しておくとよいでしょう。
・『夜になってあたりが暗い』
・『暗い道を歩くのは恐い』
「昏い」の例文
「昏い」を使用した例文を挙げます。
例文のように、あえて「昏い」を使用した場合には、「ぼんやり暗い」状態を示す効果があることに、注意して使用するのがよいでしょう。
・『意識がぼんやりと昏い状態が続いた』
・『専門ではないので、その分野には昏いと言えます』
まとめ
このように、「暗い」と「昏い」には、微妙なニュアンスの違いがあることが分かります。
一般的に使用されるのは「暗い」ですし、それで問題がないと言えます。
しかし、「昏い」の意味を正しく理解すれば「暗い」と上手に使い分けできることでしょう。
そして、言葉が持つ微妙なニュアンスを使い分けできれば、文章の表現力を向上させることにつながるのです。