「ままある」と「まあまあある」は読み違えそうなほどよく似ていますが、意味はどう違うのでしょうか。
この記事では、「ままある」と「まあまあある」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ままある」とは?
「ままある」とは、時折ある、時折起こるという意味です。
「まま」には漢字の「間々」(間間)が当てはまります。
「間々」は、漢字を見てイメージできるように「ものとものの間」を指しており、ちょくちょく、時々といった物事が起こる頻度を表しています。
「間々ある」は、事象が起こる頻度について「時々ある、時折起こる」と説明する言葉になっています。
具体的に「まま」の頻度は「しょっちゅう、たびたび」というほど頻繁ではなく、「たまに、しばしば」というほどまれでもない程度といえるでしょう。
間違えないようにしたいのは「まま」は「そのまま、あるがまま」という意味ではないという点です。
「そのままの状態で存在する」という解釈は間違いになります。
「ままある」の言葉の使い方
「ままある」は「時々ある」という表現をしたい時、公私のあらゆる場面で使うことができます。
ただ使われることが少なく、正しい意味を知らない人も多い言葉なので「時々(時折)ある」など一般的な表現に言い換えてもよいでしょう。
「ままある」を使った例文は以下の通りです。
・『買い物に来て、何を買いに来たか忘れることはままある』
・『推理小説で善人に見える人が真犯人だったという結末は、ままある話だ』
「まあまあある」とは?
「まあまあある」とは、ある程度ある、ある程度起こる、という意味です。
「まあまあ」は「十分ではないものの、ある程度は満たしている」という意味の形容動詞です。
ものの量や事象が起こる頻度について「十分ではないものの、不足しているわけでもない」といった状況を表しています。
「まあまあ」は主観的な判断による程度の表し方であり、具体的にどの程度のことを「まあまあ」と呼べばよいのか明確な基準はありません。
ニュアンスとしては、不足はしていないものの「若干もの足りない」「そこそこ」と感じている状態といえるでしょう。
「まあまあある」の言葉の使い方
「まあまあある」は、「ある程度ある、そこそこある」と伝えたいときに使います。
「まあまあ」は口語的な表現なので、かしこまった場面では使いません。
「一定ある」「少なくも多くもない」などほかの表現に換えてもよいでしょう。
「まあまあある」を使った例文は以下の通りです。
・『残りの材料はまあまああるので問題ない』
・『あの観光地は見どころがまあまああるので、行ってみてもよい』
「ままある」と「まあまあある」の違い
「ままある」と「まあまあある」は、「存在する」という意味の「ある」に「時折」という意味の「まま」か、「ある程度、そこそこ」という意味の「まあまあ」を付けるかの違いになります。
「ままある」は、事象が起こる頻度につい「時々ある」ことを説明する言葉です。
「まあまあある」は、ものの量や頻度について「充分ではないが、そこそこある」と説明しています。
「まま」や「まあまあ」は、どちらも頻度や程度を主観的に判断したうえで使う言葉になるため、人によって受け止め方も変わってきます。
そのため、より分かりやすく伝えるならば、ほかの一般的な表現に換えたほうがよい場合があるでしょう。
まとめ
「ままある」と「まあまあある」はよく似ていますが、意味ははっきりした違いがあります。
多用はされない言葉なので、目にした時に戸惑わなくてすむよう、正しい意味を理解しておきましょう。