この記事では、「本日より」と「本日から」の違いを分かりやすく説明していきます。
「本日より」とは?
「本日」は、「今日この日」を表しています。
「より」には格助詞の働きとしていくつかの意味合いがあり、「起点、出発点」、「比較を表す言い方」、「打消しに言い方」など、場面によって使い分けられています。
「本日より」は、「起点、出発点」として「より」が用いられ、「今日から始める」といった場面で使う言葉になります。
「本日から」とは?
「本日」は「今日」を表し、「から」は、格助詞の働きとして「起点、出発点」や「起点から経由地点まで」といったニュアンスがあります。
また、判断や原因、理由などの関係性を示す使い方としても用いられます。
「本日から」は、「今日から」という意味合いで、日常的によく使われている表現です。
「本日より」と「本日から」の違い
「より」と「から」には、どちらも「起点、出発点」という意味合いがあることが分かります。
このことから、「本日よりセールがスタートします」「本日からセールがスタートします」とどちらでも使えてしまい、便利な反面、どちらが正しいのか?となってしまうわけです。
言葉の意味合いを比べてみると、「より」には「比較」の使い方があり、「から」にはそれが無いことが分かります。
そこで、公用語では、「より」は「起点、出発点」としてではなく、「比較」として用いるというルールがあります。
このことにより、言葉の混同を避けることができるわけです。
「本日より」の例文
・『本日より明日のほうが、気温が上がり暖かくなるでしょう』
「今日よりも明日」というニュアンスで、比較として「より」を用いた言い方になっています。
・『本日より配属になりました。今日から頑張ります』
「より」と「から」が、どちらも「起点」を示す表現なので、何となく統一感に欠ける印象があります。
ひとつの文章内で混同するのは避けたほうが良いでしょう。
「本日から」の例文
・『本日夕方から明日の明け方にかけて、雨が続く見込みです』
場所としての起点だけでなく、時間や空間に関する起点でも「から」を使うことが出来ます。
・『本日から営業を再開いたします』
営業を待ちわびたお客様が押し寄せ、開店から長蛇の列が出来ています。
お客様も店員も、みんな嬉しそう。
きっと、「心から」待ち望んでいた瞬間なのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「本日より」と「本日から」は、「起点、出発点」という意味では同様の使い方が出来る言葉です。
ただし、同じ文章内での用法の混同には注意が必要です。
「より」には「比較」に関連するニュアンスが含まれていて、「から」には含まれていません。
ですから、「より」を「比較」に関する表現でのみ用いることで、2つの言葉について差別化を図ることが出来ます。
このように、言葉の意味を理解できれば、似たような表現が混在せず、まとまりのある言い回しにすることが出来るでしょう。