「タイムリープ」と「タイムスリップ」の違いとは?分かりやすく解釈

「タイムリープ」と「タイムスリップ」の違いアニメ・マンガ

映画や小説などの中で、頻繁に扱われる題材として有名なのが「タイムトラベル」あるいは「タイムスリップ」「タイムリープ」「タイムループ」等の名称で呼ばれる現象です。

これらは、似たようなシチュエーションで用いられることが多いのですが、実際の意味はどう違うのでしょうか。

この記事では、「タイムリープ」「タイムスリップ」の違いを分かりやすく説明していきます。

「タイムリープ」とは?

「タイムリープ」とは、英語では「Time Leap」と言いたいところですが、実際にはこのような表現は英語には無いので、和製英語です。

「Leap」「跳ぶ」とか「跳躍する」と言う意味なので、「タイムリープ」「時を跳躍する」と言う意図で用いられました。

最初に使われたのはジュブナイル小説として有名な筒井康隆の「時をかける少女」です。

この小説の中で、主人公の少女は数時間程度の時間移動を繰り返して行います。

この短距離の時間移動を「タイムリープ」と称しました。

「タイムリープ」はその人の意識だけが時間を移動してその時点での肉体に乗り移ることで、それが肉体ごと移動する「タイムトラベル」と違うという解釈がされているケースも多いですが、「時をかける少女」の中では特にそのようなニュアンスは登場しないので、前述のような「小さな時間移動」を表す言葉と考えてよいでしょう。


「タイムスリップ」とは?

「タイムスリップ」とは、「Time Slip」と記述されますが、これも和製英語です。

英語でも「Time slipped」のような表現はありますが、これは「あっという間に時間が過ぎた」と言う意味なので、日本語の「タイムスリップ」とは違います。

「Slip」「滑り落ちる」と言う意味なので、意図としては「時間を滑って過去や未来に行く」と言うものでしょう。

初出がどこかは明確ではありませんが、1985年の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の時点では既に「タイムスリップ」と言う言葉で表現されていた記憶があり、それ以前は「タイムトラベル」と呼ばれていました。

その後、映画「戦国自衛隊」などでも、「タイムスリップ」と言う言葉が使われました。


「タイムリープ」と「タイムスリップ」の違い

「タイムリープ」「タイムスリップ」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、共に「時間を移動する」と言う意味で使われる言葉ですが、細かいニュアンスに大きな違いがあります。

つまり、「タイムリープ」が小説「時をかける少女」で見られたような、「短い時間の移動を頻繁に行う」と言うニュアンスが強いのに対して「タイムスリップ」はもっと長い時間差を飛び越えて別の「時代」に移動するような時に用いられます。

この最も特徴的な作品が、前述の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や、日本映画の「戦国自衛隊」です。

特に後者に見られるような「自分の意志に反して飛ばされる」と言う災害のような意味を持っているのが「タイムスリップ」と言えます。

まとめ

ここまで、「タイムリープ」「タイムスリップ」の違いを説明してきました。

冒頭で述べたように、この類の言葉としては他に「タイムトラベル」とか「タイムループ」がありますが、本来の英語表現に実在しているのはこの2つだけです。

英語では「Time Travel」「Time Loop」と記載されますが、それぞれ「時の旅行」「時をループする」と言う意味で使われ、特に最近のエンターテインメント作品にはこれを扱ったものが多く、「タイムループもの」と呼ばれるジャンルも存在しています。

この風潮は、ゲームの世界で何度も同じ体験をやり直すことで成長すると言うのが若者に受け入れやすい感覚であることが要因の一つだと考えられます。