宝塚の「ファントム」とミュージカル「オペラ座の怪人」はどちらもパリの歌劇場「オペラ座」が舞台となる作品ですが、作曲者や登場人物などが異なります。
この記事では、宝塚の「ファントム」とミュージカル「オペラ座の怪人」の違いを分かりやすく説明していきます。
宝塚の「ファントム」とは?
宝塚の「ファントム」は、「ガストン・ルルー」の小説“Le Fantome de l’Opera”(オペラ座の怪人)を元にしたミュージカルで、未婚の女性のみで構成される「宝塚歌劇団」によって2004年から上演されています。
「ファントム」は宝塚以外でも上演され、1991年にアメリカで上演されたほか、日本でも梅田芸術劇場によって企画・制作されたものが2008年より上演されています。
ミュージカル「オペラ座の怪人」とは?
ミュージカル「オペラ座の怪人」は、「ガストン・ルルー」の小説“Le Fantome de l’Opera”(オペラ座の怪人)を元に制作されたミュージカルで、1986年にロンドンで初演されて以降アメリカや日本など25か国を超える国々で上演されています。
なお、英語のタイトルは“The Phantom of the Opera”となります。
宝塚の「ファントム」とミュージカル「オペラ座の怪人」の違い
宝塚の「ファントム」とミュージカル「オペラ座の怪人」は双方ともガストン・ルルーの小説が原作の舞台で、物語の流れはほとんど同じといわれていますが作曲者や出演者、舞台の雰囲気、登場人物の描き方に違いがあります。
宝塚の「ファントム」の楽曲はブロードウェイミュージカル版の「タイタニック」や「グランドホテル」などの楽曲を制作した「モーリー・イェストン」が手掛けているのに対し、ミュージカル「オペラ座の怪人」の楽曲は「キャッツ」や「エビータ」、「ジーザス・クライスト・スーパースター」などの音楽を制作した「アンドリュー・ロイド=ウェバー」が手掛けています。
作曲者が異なるため、双方の舞台で演奏される音楽や歌も異なります。
出演者について、宝塚の「ファントム」は女性だけで演じられますが、ミュージカル「オペラ座の怪人」は男女混合で上演されます。
舞台の雰囲気については、宝塚の「ファントム」が宝塚らしい華麗な雰囲気が感じられる一方で、ミュージカル「オペラ座の怪人」の場合は重厚感とダークさが感じられます。
また、登場人物の描き方については、宝塚の「ファントム」に登場するファントムがヒロインであるクリスティーヌに対して紳士的に接しているのに対し、ミュージカル「オペラ座の怪人」に登場するファントムはクリスティーヌを地下にさらったり殺人をおこしたりするなど不気味な存在として描かれています。
そのほか、クリスティーヌの生い立ちの設定や、キャラクターの関係性、結末などにも相違点があります。
まとめ
宝塚の「ファントム」もミュージカル「オペラ座の怪人」も原作は同じですが、舞台の雰囲気や楽曲、登場人物の設定などに違いがあります。
いずれも名曲揃いと評価されていますので、機会があればぜひ双方の舞台を見比べてみてください。