「徴兵令」と「学徒出陣」の違いとは?分かりやすく解釈

「徴兵令」と「学徒出陣」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「徴兵令」「学徒出陣」の違いを分かりやすく説明していきます。

2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。

「徴兵令」とは?

「徴兵令」「ちょうへいれい」と読みます。

「徴兵令」は、「明治6年(1873)年に、交付された徴兵に関する法令のこと」という意味があります。

国民皆兵主義を取り、満20歳に達した男子に兵役の義務を定めました。

ちなみに「徴兵」は、「国家が国民を徴集して、一定期間兵役につかせること」という意味があります。

また「国民皆兵(こくみんかいへい)」とは、「国民すべてが兵役に服する義務を負うこと」という意味があります。

近代国家にとって、国民軍の創出が必要だという考えから、明治6年、1月10日に、「徴兵令」が施行されます。

これ以降、毎年この日が、徴兵による新兵の入営日になりました。

満20歳の男子から、抽選で3年間の兵役をすることを定めます。

国民皆兵としたものの、体格が基準に達しないもの、病気のもの、また、家の跡継ぎ、一家の主人、一定のお金を支払った人、役人、兵学寮生徒、官立学校生、養子など、除外される人も少なくありませんでした。


「学徒出陣」とは?

「学徒出陣」「がくとしゅつじん」と読みます。

「学徒出陣」は、「第二次世界大戦末期の昭和18年以降に、兵力不足を補うため、学生を入隊・出征させたこと」という意味があります。

この時期までは26歳までの大学生に対しては、徴兵猶予が与えられていて、戦争に行かなくて済みました。

しかし「学徒出陣」により、文科系学生に対しての徴兵猶予が停止されてしまい、20歳以上の学生を入隊、出征させることになりました。

「日中戦争」から「太平洋戦争」へ戦線が広がっていくとともに、戦局が悪化して、戦死者が増えていくことで、兵力不足に陥ったことが原因となります。

理科系学生に関しては、兵器開発などが戦争を続けるために不可欠だと判断され、陸軍や海軍の研究所などに、勤労動員されていました。


「徴兵令」と「学徒出陣」の違い

「徴兵令」「学徒出陣」の違いを、分かりやすく解説します。

「徴兵令」は、「明治6年(1873)年に、交付された徴兵に関する法令のこと」という意味があります。

一方で「学徒出陣」は、「第二次世界大戦末期の昭和18年以降に、兵力不足を補うため、学生を入隊・出征させたこと」という意味があります。

このように、どちらも軍隊に関する言葉という共通点があります。

ただし「徴兵令」は明治6年に公布された法令なのに対して、「学徒出陣」が行われたのは、昭和18年以降となり、時代に違いがあります。

また「徴兵令」では、国民皆兵と言いながら、除外される人が多かったのに対して、「学徒出陣」では、学生さえ出征を命じられ、除外される人がほとんどいないという違いがあります。

まとめ

「徴兵令」「学徒出陣」の違いについて見てきました。

2つの言葉の意味の違いを知ることで、時代の移り変わり、戦争の怖さなどが透けて見えるのではないでしょうか。