「ステイン」と「ニス」の違いとは?分かりやすく解釈

「ステイン」と「ニス」の違い専門用語・業界用語

木材の保護や着色のために使う塗料として「ステイン」「ニス」があります。

このふたつの塗料にはどのような性質の違いがあるのでしょうか。

今回は、「ステイン」「ニス」の違いについて解説します。

「ステイン」とは?

「ステイン」とは、「木材の色付けに使われる専用の着色塗料」を意味する言葉です。


「ステイン」の使い方

木材本来の木目や風合いはそのままに色合いだけを変化させる着色料が「ステイン」です。

「ステイン」とはもともと染みや汚れなど変色を意味する言葉で日本語では「渋」とも呼ばれます。

木材の見た目における最大の特徴は表面に浮き出た木目です。

木が持つ自然本来の木目はほかの素材にはない独特なものでぬくもりが感じられることから内装材や家具などに広く用いられています。

木材をペンキなどの塗料で着色すると木の表面が塗料で覆い隠されてしまい木目も見えなくなってしまいます。

木材に着色したいが木目はそのまま残したいときに使われるのが「ステイン」です。

「ステイン」は木材内部に浸透し木の内側から色を変化させます。

黒や茶などの濃い色に限られますが内側からしみだして色を変化させるので表面が塗りつぶされることがなく、木の風合いや木目はそのままに色のみを変化させます。

着色料なので見た目を変える効果が高い「ステイン」ですが表面にとどまらず内側に浸透するので表面保護効果はありません。


「ニス」とは?

「ニス」とは、「木材などの表面に塗布することで汚れや変質から守る保護塗料」を意味する言葉です。

「ニス」の使い方

素材の表面に塗り保護膜を形成するのが「ニス」の特徴です。

「ニス」はいわゆるコート剤にあたるもので、素材の表面に塗布することで保護膜が形成され汚れや水分などから素材を守り長持ちさせる効果が期待できます。

「ニス」そのものに着色されているものを使えば保護膜で素材を守ると同時に着色することが可能です。

形成される保護膜は固くつやつやと光り輝くのでつや出しや風合いを出すために「ニス」を使うこともあります。

「ステイン」と「ニス」の違い

「ステイン」とは成文が中に浸透し木材の内側から着色しますが「ニス」は素材の表面で保護膜を形成するのが大きな違いです。

「ニス」による着色も表面の保護膜に色がつくのでニスを落とすと素材の色に戻ります。

重ね塗りをすると「ステイン」は木材の吸収量に限界があるのでどんどん色の変化が小さくなりますが「ニス」は重ね塗りすればするほど塗膜が厚く形成されるので色もどんどん濃くなります。

「ステイン」は着色のみで保護効果はなく、「ニス」は着色と同時に素材を保護する効果も期待できます。

「ステイン」は成分を吸収する木材専用ですが「ニス」は木材だけでなく陶器など様々な素材に使われます。

「ステイン」の例文

・『ステインを使って落ち着いた色に仕上げる』
・『木の種類によりステインの吸収量が異なるので注意が必要だ』

「ニス」の例文

・『ニスを重ね塗りするときれいなツヤが出る』
・『ニスが乾くまで丸一日かかる』

まとめ

「ステイン」「ニス」は性質が大きく異なります。

それぞれの性質を理解して正しい使い方を守らないと十分な効果は期待できません。

用途や目的に合わせてふさわしい塗料を選んでください。