「SWAT」と「SAT」と「SIT」の違いとは?分かりやすく解釈

「SWAT」と「SAT」と「SIT」の違い専門用語・業界用語

「SWAT」「SAT」「SIT」はいずれも警察の特殊部隊を指しますが、特色が異なるため区別して認識しておく必要があります。

この記事では、「SWAT」「SAT」「SIT」の違いを分かりやすく説明していきます。

「SWAT」とは?

「SWAT」“Special Weapons And Tactics”の略称で、アメリカ合衆国の各警察内に設けられている特殊部隊のことを意味し、日本語では「スワット」と読みます。

直訳すると「特殊火器戦術」の意味があり、1966年に起きた「テキサスタワー乱射事件」をきっかけとして銃や火器などを用いた凶悪犯罪に対応することを目的に誕生しました。


「SAT」とは?

「SAT」“Special Assault Team”の略称で、日本の警察内に設けられている特殊部隊のことを示し、「サット」と読みます。

直訳すると「特殊奇襲部隊」を意味し、ハイジャックやテロ、銃などを用いた犯罪や事件に対処することが主な任務となっています。

「SAT」の存在が公になったのは1996年5月ですが、1970年代には既に誕生し非公開で任務にあたっていたと考えられています。


「SIT」とは

「SIT」「日本国内の各警察本部の刑事部捜査一課に設置された特殊捜査班」のことを指し、誘拐や人質事件に対処することを主な任務としています。

“Special Investigation Team”を短縮した名称ともいわれていますが、諸説あることから略称の由来については明確になっていないようです。

また、上記に該当する部署が全て「SIT」の名称を使用しているわけではなく、警察ごとに独自の名称が使われており、現在「SIT」の名称を用いているのは警視庁や愛知県警、福岡県警などとされています。

なお、「SIT」の読み方は「エスアイティー」または「シット」ですが、「シット」については英語で相手を罵倒したり感情的に怒りを表現したりする際に使用する“shit”と同じ発音であることから、外国では使用不可とされています。

「SWAT」と「SAT」と「SIT」の違い

「SWAT」「SAT」「SIT」はどれも警察内に設けられた特殊部隊を指しますが、国や任務内容などに違いがあります。

「SWAT」はアメリカ合衆国の各警察に組織された特殊部隊を意味し、主な任務は凶悪犯罪への対処で、拳銃や短機関銃、散弾銃などを携帯して活動します。

一方、「SAT」「SIT」は日本の警察に設けられた組織のことで、「SAT」「特殊奇襲部隊」を意味し、「SIT」は統一された名称ではなく「各警察の刑事部捜査一課に設けられている特殊捜査班の通称」を意味します。

「SAT」は機動隊と同じ「警備部」に属しており、高性能な銃器や防具などを備えてハイジャックやテロといった組織的な犯罪に対抗して制圧することが主な任務となっています。

対して、「SIT」は専門的な機器を利用したり説得や交渉などを用いたりして誘拐や人質事件に対処することが主な任務となっています。

まとめ

「SWAT」「SAT」「SIT」は表記や読み方が似ているため混同しがちですが、設置されている国や任務の内容に違いがあることが分かります。

ぜひ参考にして三つの組織の特徴を学び、正しく識別できるようになりましょう。