この記事では、「保持」と「保管」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「保持」と「保管」の違い
「保持」とは、持ち続けること、保ち続けることです。
「保管」とは、なくしたり傷ついたりしないように、保存・管理することです。
「保持」の場合は、単に持ち続けることですが、「保管」の場合は、なくしたり傷つけたりしないようにという、何のためにという意味が含まれている点が違います。
また、「保持」は自分のものとして持ち続けることですが、「保管」は自分のものでないもののことも指しています。
たとえば、駅で落とし物があり駅員さんに渡したとします。
駅員さんは、なくした人が後でとりにくるかもしれないと考え、落とし物をどこかにしまうなどすることでしょう。
このような状態を「保管」といいます。
駅員さんに渡しても、駅員さんのものになっているのではないので、「保持」ではありません。
「保持」と「保管」の使い方の違い
「保持」は、自分のものとしてそのままの状態で持ち続けること、保ち続けることに使用をします。
物質にも非物質にも使うことができます。
「保管」は、なくしたり傷ついたりしないように、保存・管理することに使用します。
物質に対して使う言葉です。
自分の物にも、他人の物にも使うことができます。
「保持」と「保管」の英語表記の違い
「保持」は英語で“maintenance”と表現をします。
「保管」は英語で“safekeeping”と表現をします。
「保持」の意味
「保持」とは、持ち続けること、保ち続けることです。
他人のものを持ち続けることではなく、自分のものを持ち続けることをいいます。
たとえば、水泳で日本記録を出したとします。
この記録が破られない限り、日本記録を出した人は、日本記録を持ち続けている人となります。
この人のことを指して「日本記録保持者」といいます。
サッカーの試合で、他の選手にボールをとられることなく、自分のもとに持ち続けている選手がいます。
ボールはいずれ他の人のもとに渡ってしまいますが、それまでの間、自分が保ち続けている状態といえます。
このことも「保持」といえ、「ボールを保持する」と表現します。
他人のものを預かって、自分の手元に保ち続けていることは、「保持」とはいいません。
「保持」は自分のものとして手に入れたもので、それを持ち続けることをいいます。
「保持」の使い方
自分のものにして、持ち続けること、保ち続けることに使用をします。
「日本記録を保持する」「ボールを保持する」のような使い方ができます。
日本記録の場合は非物質的なもの、ボールの場合は物質的なもので、「保持」は自分のものとして持ち続けているもの、保ち続けているものなら、非物質的なものも物質的なものも使うことができます。
「保持」を使った例文
・『生活習慣に気をつけて健康を保持する』
・『資格を保持している人に受験資格があります』
・『○○氏が保持していた記録を破る』
・『三冠を保持しています』
「保持」の類語
「維持」が類語です。
今の状態をそのまま保ち続けることという意味があります。
「保持」の対義語
持っていたものをなくす意味で、「失う」が対義語です。
「保管」の意味
「保管」とは、なくしたり傷ついたりしないように、保存・管理することです。
医薬品を小児の手の届く場所に置いておくのは、誤って飲み込んでしまう可能性があり、危険です。
そのため、小児の手の届かない場所にしまっておきます。
これは、なくしたり、他の人が触らないようにしている行為であり、「保管」といいます。
商業施設などで物を落としてしまったとき、落とした人はまず施設の職員に落とし物が届いていないか尋ねてみることでしょう。
これは、施設の職員が落とし物を預かってくれていると考えての行為です。
捨てたり、本来の持ち主以外の人に渡すことはありません。
これはなくしたりしないように管理しているといえ、「保管」しているといえます。
「保管」の使い方
なくす、傷つくなどがないように、保存・管理をすることに使用します。
なくしたり、傷ついたりしてしまうのは物です。
「保管」は、記録など非物質には使用しません。
「保管」を使った例文
・『遺品を大切に保管する』
・『保管場所に困る』
・『保管期間内に受け取りにきてください』
・『温度に気をつけて保管する』
「保管」の類語
「保存」「温存」が類語です。
「保存」は、傷みやすかったり、なくしたりしやすいものを、そのままの状態に保っておくことです。
「温存」には、使わずにしまっておくこと、消耗などを避けて残しておくことという意味があります。
「保管」の対義語
なくさないようにしていたものがなくなってしまう意味で、「消失」が対義語です。
まとめ
「保持」は持ち続けること、「保管」はなくしたりしないように保存・管理することで、ニュアンスが異なります。