この記事では、「資質」と「能力」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「資質」と「能力」の違い
「資質」とは、生まれ持って備わっている才能や性質のことです。
「能力」とは、物事をうまくやってのける力のことです。
生まれ持って備わっている才能を使って、物事を成し遂げることができそうなので、「資質」と「能力」は同じことを指していそうですが、意味は違います。
「資質」は生得のものだけを指していますが、「能力」は後天的に獲得することができます。
生まれたときから、足し算、引き算、割り算、掛け算などができる人はいないことでしょう。
しかし、勉強をすれば計算できるようになってきます。
これは計算する「能力」があるといえます。
そして、これは後天的に獲得したものです。
「資質」と「能力」の使い方の違い
生まれ持って備わっている才能や性質のことを指して「資質」を使用します。
努力などによって後から獲得したものではありません。
物事をうまくやってのける力のことを指して「能力」といいます。
「能力」はもともと持っていたもののことも、後天的に獲得したもののこともいうことができます。
いつから備わっているのかにかかわらず、物事を成し遂げることができる力のことです。
「資質」と「能力」の英語表記の違い
「資質」は英語で“one’s nature”と表現をします。
「能力」は英語で“ability”や“faculty”と表現をします。
「資質」の意味
「資質」とは、生まれ持って備わっている才能や性質のことです。
才能とは物事をうまくなしとげる生まれながらに持っている能力のこと、性質とはひととなりのことです。
フィギュアスケートを習っている人の中には、オリンピックに出場できるような才能を持っている人もいれば、そこまでの才能を持っていない人もいます。
オリンピックに出場できるかは、その人の努力によるところもありますが、もともとその競技に向いているのかということも関係しています。
もともと持っているもののことが「資質」です。
「資質」の使い方
才能、性質のことを指して使用をします。
そして、これは生まれたときから備わっているものです。
人に対して使う言葉で、物に対しては使わないことが一般的です。
たとえば、「絵を描く資質がある」と人のことを指してはいいますが、「この絵画は資質がある」と絵画など物を指してはいいません。
「資質」を使った例文
・『ランナーとしての資質がなかったのかもしれない』
・『ミュージシャンの資質を備えている』
・『指導者にとって必要な資質とは』
・『資質を適切に評価してくれた』
「資質」の類語
「質」「素質」が類語です。
「質」には、生まれたときから持っている才能や性質、そのもののよしあしや傾向などを決める性質という意味があります。
人に対しても物に対しても使うことができます。
「素質」には、生まれながらに持っている性質、将来発揮されるかもしれない能力という意味があります。
「資質」の対義語
うまくあてはまる言葉はありません。
「能力」の意味
「能力」には、物事をみごとにやってのける力という意味があります。
音を聞いただけで、その音を音階で表現できる人がいますが、すべての人間ができるわけではありません。
音を音階で表現できることは、「能力」といえるでしょう。
アナウンサーは早口言葉が上手にできる人が少なくありません。
しかし、一般の人の多くがアナウンサーのように早口言葉を上手に言えるものではないです。
これは、早口言葉が上手な人は、早口言葉をいうことができる「能力」を持っているといえるでしょう。
能力は生まれながらにもともと持っているものだけでなく、後天的に獲得したもののことも指しています。
練習をするなどによって、ものごとをうまくやってのける力をつけることができます。
「能力」の使い方
できる力のことを指して「能力」といいます。
「コミュニケーション能力」「身体能力」のように人に対して使うことも、「工場の生産能力」のように人以外のものにも使うことができます。
「能力」を使った例文
・『接客の能力が素晴らしい』
・『試合では運動能力を発揮してくれた』
・『何日も横になり続けていると身体能力が低下する』
・『物事を処理する能力』
「能力」の類語
「才能」「力量」が類語です。
「才能」は、ものごとをうまくやってのける、生まれたときから備わっている力のことです。
「音楽の才能」「絵画の才能」のように、特定の分野を指して使うことがあります。
「力量」は、物事を成し遂げる力の程度のことです。
「能力」の対義語
「無能」が対義語です。
能力や才能がないという意味になります。
まとめ
「資質」はもともと持っているもの、「能力」は物事を成し遂げる力のことで、努力などによって後から獲得することができます。