この記事では、「祭祀」と「祭典」と「祭礼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「祭祀」とは?
「祭祀(さいし)」とは、「神仏・祖先をおまつりする宗教的要素のある伝統的な儀式」を意味しています。
「祭祀」の儀式には、「神仏の恩恵・加護・ご利益を願う気持ち」や「祖先の守護・子々孫々にまでつながる血統の継続に対する感謝の気持ち」を伝えるといった意味合いがあります。
「祭祀」というのは、「その国(社会)・民族・部族において歴史的に継承されてきた儀式・まつりごと」なのです。
「祭祀」には、「神仏・祖先(祖霊)を慰めて鎮魂したり感謝したりして、その後の社会・民族の安全や繁栄を願う宗教儀式」といった意味のニュアンスを汲み取ることができます。
「祭典」とは?
「祭典(さいてん)」とは、「その地域・民族(部族)において引き継がれてきた神仏や祖先に祈願したり感謝するための儀式」を意味している言葉です。
ただし「祭典」は「歴史的由緒のある神様や祖先を崇拝するための宗教儀式」の意味だけではなくて、より一般的な「広義のおまつり」の意味合いも持っています。
「オリンピックはアスリートが真剣に勝負する国家と民族の祭典です」の文章で示されるように、「祭典」には「規模が大きくていろいろな属性の人たちが集まって楽しむおまつり」といった意味も備わっています。
そのため、「祭典」という言葉には「宗教的・伝統的な側面のある集団社会(家族・一族)の維持発展を願う儀式」とは別に、「大勢の人たちが参加して華やかな雰囲気の中楽しむようなイベント」といった意味で使用されることも多いのです。
「祭礼」とは?
「祭礼(さいれい)」とは、「神様・祖先の霊魂をおまつりするための祭祀」を意味しています。
「祭礼」というのは、「祖先の霊の崇拝あるいは神仏鎮護の祭祀における儀礼・礼式の部分」を特に指し示している言葉なのです。
例えば、「祭礼」という表現を使う場合には、「祭祀における祈祷・祝詞(のりと)・密教の儀式」や「祭祀で伝統的に行われてきた行列行進・踊りや特産品の奉納」を示唆していることが多くなるのです。
「祭礼」は「祭祀」と近しい意味で使用されることも多いのですが、「祭礼」は特に「過去から現在まで連綿として継承されてきた儀礼・作法・式次第」を意味している言葉になります。
「祭祀」と「祭典」と「祭礼」の違い
「祭祀」と「祭典」と「祭礼」の違いを分かりやすく説明します。
「祭祀」と「祭礼」は「過去の時代からその国・社会(部族集団)において伝統的に続けられてきた、祖先・神仏を慰めて祈願するための宗教的な儀式」を意味しています。
そのため、「祭祀」と「祭礼」は「宗教的あるいは歴史的な要素と切り離した意味の解釈」をすることはできません。
一方で、「祭典」だけは「宗教的要素と切り離された、みんなで賑やかに楽しむ大規模なイベント」といった意味合いでも使われるという大きな違いがあります。
「祭祀」と「祭礼」を比べると、「祭祀」より「祭礼」のほうが「おはらい・祈祷や秘術のような個別の儀式部分を強調した言葉」であるという違いを指摘できます。
まとめ
この記事では、「祭祀」と「祭典」と「祭礼」の意味の違いを分かりやすく説明しましたがいかがでしたか?
「祭祀」と「祭典」と「祭礼」の意味の違いについて詳しくリサーチしたい場合は、この記事の解説を参照してみてください。