この記事では、「終身雇用」と「年功序列」と「年功賃金」の違いを分かりやすく説明していきます。
「終身雇用」とは?
一つの企業で定年まで雇用するというシステムです。
平成初期までは続けられていましたが、雇用の流動化などを目指す、会社を存続させるためのリストラの励行などの結果現在ではあまり見られない制度となってしまいました。
基本的に勤めている間給料が上がっていくため、会社の行く先が明るくないとできないシステムとも言えます。
メリットとしては愛社精神が強くなること、ノウハウの流出が減ること、雇用が安定することから社会も安定することなどが挙げられます。
派遣社員などはこの概念とは程遠い存在と言えます。
「年功序列」とは?
年齢や勤続年数に応じて、役職の地位や賃金を上昇させていく人事制度のことで、賃金に関してはある程度制度として年間ごとに上昇する企業はありますが、役職に関してはややシビアになっており、能力で選ばれるケースも見られます。
完全実力主義が対義語で、こちらは実力があればどんどん地位や賃金が上がるというシステムですが、一般の人は賃金や地位が上がらずモチベーションが上がらない、実力の公平な審査が難しいというデメリットがあります。
年功序列はやる気を維持させる、社員を流出させないという点ではメリットがあるものと言えますが、やはり会社の長期的な展望が良くないと難しいシステムと言えます。
派遣社員はこのシステムから外れており正社員との格差がありますが、派遣会社側にも問題があるといえるでしょう。
「年功賃金」とは
勤続年数とともに上昇する賃金のことで、長く勤めるほど賃金が高くなるということで年功序列の賃金部分のみを抽出した言葉となります。
役職の数に関しては限度はありますが、賃金は社員にとって上がるに越したことはなく、土台として理想的な部分はあり、これに加えて成果による賃金の上昇があるとより理想的と言えます。
「終身雇用」と「年功序列」と「年功賃金」の違い
終身雇用はひとつの会社で定年まで雇ってくれるシステムで、メリットも多いのですが現在の日本の企業ではかなり運用が難しくなってしまっています。
年功序列は勤続年数とともに地位や賃金が上がるシステムで、成果主義や実力主義とは異なりますが、安定して給料が上がるという面では愛社精神が根付く点がメリットです。
実力主義の導入には年功序列と併用した使い方が理想と言えます。
年功賃金は勤続年数とともに賃金が上がっていく方式で地位や昇進の意味が年功序列から抜かれたものとなっています。
メリットは年功序列と同等です。
まとめ
「終身雇用」と「年功序列」と「年功賃金」はメリットも有るのですが90年代後半ごろからネガティブな面を中心に語られています。
これはバブル崩壊で実際の運用が難しくなったという現実的な問題と、社員をコストとみなす考え方がエスカレートしたことなど様々な要因があるといえるでしょう。