「空砲」と「空包」と「実包」の違いとは?分かりやすく解釈

「空砲」と「空包」と「実包」の違い専門用語・業界用語

ミリタリー家の話題で登場する言葉に「空砲」「空包」「実包」があります。

これらの言葉は一体何を指していてどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「空砲」「空包」「実包」の違いについて解説します。

「空砲」とは?

「空砲」とは、「銃や大砲などで弾丸を射出せずに撃つこと」を意味する言葉です。

銃や大砲のような銃火器類は火薬が破裂した衝撃で金属製の弾丸を射出する仕組みをしています。

勢いよく飛ぶ弾丸で攻撃するわけですが、儀礼や威嚇などで銃火器類を用いる場合弾丸が射出されてしまうと事故の恐れがあり大変危険です。

そのようなケースではあらかじめ弾丸を抜いておき火薬だけを破裂させるのですが、そのような「弾丸を射出することなく火薬だけを破裂させ音と光だけをたてて撃つこと」「空砲」といいます。

式典などで大砲を撃つときは「空砲」が用いられます。

弾頭は射出されないものの撃つ仕組みそのものは通常の射撃と同じです。


「空砲」の例文

・『儀礼式典の最後に空砲が撃たれた』
・『弔意を示す弔砲では階級によって空砲を撃つ回数が変わる』


「空包」とは?

「空包」とは、「弾頭がなく射出用火薬のみの弾薬」を意味する言葉です。

攻撃用の弾頭と射出用の火薬が一体となった銃の弾が「弾薬」です。

弾薬の中でも弾頭がなく攻撃に用いないものを「空包」といいます。

「空包」で銃を撃っても弾丸は飛ばず音と光だけが鳴り響きます。

主に実銃を用いる演習用として使用されるほかお芝居の銃撃シーンや射撃競技などで用いられます。

映画などでは弾薬から弾頭を取り除いて「空包」をつくるシーンが見られますが、実際にはそのような作り方はされません。

「空包」は通常の弾薬とは別に専用の工程で製造されています。

「空包」の例文

・『園主に備えて空包を用意する』
・『空包を使っているが実銃だけあって音と光はすごい迫力だ』

「実包」とは

「実包」とは、「使用すると弾頭が飛び出す殺傷力のある弾薬」を意味する言葉です。

ピストルやライフルなどに込める弾薬の別名が「実包」です。

「実包」が指すのは「実践で使用される本物の弾薬」であり練習や演習に用いる非殺傷の弾薬やおもちゃの弾ではない銃弾を意味します。

安全性を考慮して製造されていますが射出用の火薬や雷管などが組み込まれているため取り扱いに慎重さが求められます。

一般的に破断等に爆薬などが搭載されていない金属弾に対して用いられる言葉です。

「実包」の例文

・『銃砲店で実包を購入するには許可が必要だ』
・『実包の管理は所有者の責任である』

「空砲」と「空包」と「実包」の違い

「空砲」は音と光のみで弾丸を飛ばさずに銃や大砲を撃つことまたはそのような射撃を意味する言葉です。

「空砲」を撃つために使われる弾頭のない弾薬を指す言葉が「空包」で、「空包」ではなく使用すると弾頭が射出される弾薬のことを「実包」といいます。

まとめ

「空砲」「空包」「実包」はどれも銃火器類に対して使われる専門用語で一般的にはあまりなじみのない言葉です。

ミリタリー以外にも狩猟や射撃競技で用いられている言葉なのでこの機会に意味を知っておきましょう。