「あやめ」と「しょうぶ」と「かきつばた」はどれも植物の名前ですが、外観がよく似ているため区別しにくいといわれています。
この記事では、そんな「あやめ」と「しょうぶ」と「かきつばた」の違いを分かりやすく説明していきます。
「あやめ」とは?
「あやめ」はアヤメ科に属する多年草で、5月上旬から同月中旬頃に紫色や白色の花を咲かせます。
草丈は30cmから50cm程度、剣のような細長い葉を持ち、その中心に走る主脈が薄く控えめなのが特徴的です。
低い山地や高原などの乾燥したエリアに群生していますが、鑑賞用として水辺に栽培されるケースもあります。
漢字では「文目」や「綾目」と表記されるほか、「しょうぶ」と同じ「菖蒲」の字が充てられる場合もあります。
「しょうぶ」とは?
「しょうぶ」には2つの意味があり、1つ目は菖蒲湯などに使用されるサトイモ科の植物のことで、2つ目はアヤメ科に属する多年草のことを指します。
「あやめ」や「かきつばた」と比較されるのは後者で、「はなしょうぶ」とも呼ばれており5月中旬から6月下旬頃にかけて紫色やピンク色、白色や青色といった花を咲かせます。
「しょうぶ(はなしょうぶ)」の草丈は60cmから100cm程度、葉脈が目立ちやすいのが印象的で、湿地帯を中心に群生しています。
漢字では「菖蒲」と表記されます。
「かきつばた」とは
「かきつばた」はアヤメ科に属する多年草で、5月中旬頃に紫色や青色、白色や褐色の花を咲かせます。
草丈は50cmから80cm程度あり、葉っぱの幅が広く葉の中央に存在する主脈が薄いという特徴があります。
水を好むため湿地帯や水辺の近くに群生しており、漢字では「杜若」や「燕子花」と表記されます。
「あやめ」と「しょうぶ」と「かきつばた」の違い
「あやめ」と「しょうぶ(はなしょうぶ)」と「かきつばた」の大きな違いは、「草丈」や「花の模様」、「葉脈」にあります。
「あやめ」は草丈が「30cmから50cm程度」と低めで、「花びらの根元に白色と黄色の網目模様」があり、「葉脈が薄い」のが特徴です。
「しょうぶ(はなしょうぶ)」は草丈が「60cmから100cm程度」と他と比べて最も背が高く、「花びらの根元が白色と黄色」で、「葉脈がしっかりと目視できる」植物です。
「かきつばた」は草丈が「50cmから80cm程度」と3つの花の中間に位置する高さがあり、「花びらの根元が白色」で、「葉っぱの幅が広くて葉脈が目立ちにくい」という特色があります。
3つの花の開花時期にも違いがあり、「あやめ」が5月上旬から同月中旬頃に開花するのに対し、「しょうぶ(はなしょうぶ)」は5月中旬から6月下旬頃、「かきつばた」は5月中旬頃となっています。
また、各々が自生するエリアも異なり、「あやめ」が乾燥した場所に自生する一方で、「しょうぶ(はなしょうぶ)」や「かきつばた」は湿地帯や水辺で育ちます。
まとめ
「あやめ」と「しょうぶ(はなしょうぶ)」と「かきつばた」は同じ植物に見られがちですが、花びらの模様や葉っぱの特徴、開花時期などに違いがあることが分かります。
それぞれの特色を知って、植物や言葉についての知識を深めましょう。
ぜひ参考にしてください。