「賠償」・「弁償」・「補償」
日常生活において、たまに見聞きする言葉ですが、違いがイマイチ分からないという方もいるのではないでしょうか?
この記事では、「賠償」と「弁償」と「補償」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「賠償(ばいしょう)」の意味とは?
「賠償」とは、主に「他者に与えた損害を償うこと」を意味する言葉です。
ほか、「国際法規違反として、金品などを他国に与えた損害や、敗戦国が戦勝国に対して与えた損害への補償として提供すること」も指します。
また、法律用語としての「賠償」は基本的に、「法律違反により、他人の利益や権利に損害を与えた場合の補填として金銭などを支払うこと」を意味します。
「賠」も「償」も、それぞれ「償う」という意味を持つ漢字です。
「賠償」を使った例文
・『無断利用により著作権を侵害されたので、損害賠償を請求することにした』
・『あの企業は個人情報を不正に利用したとして、顧客に賠償金を支払うことになった』
・『彼は自動車事故を起こしたことにより、賠償責任を負うことになった』
「弁償(べんしょう)」の意味とは?
「弁償」とは、「他者に与えた損害を金品によって埋め合わせすること」を意味する言葉です。
「弁償」を使った例文
・『誤って友達のスマートフォンを水没させてしまったので、弁償することにした』
・『レンタル品を過失により破損させた場合、顧客側に弁償してもらうことになっている』
・『相手に弁償するときには、何より誠意を見せることが大切だ』
「補償(ほしょう)」の意味とは?
「補償」とは、「損失を補うことや償うこと」、「損害賠償として、被害者に対する損失を金銭で償うこと」を意味する言葉です。
心理学においては「身体的・精神的要因に基づく劣等感を抱いている時、他の何かで優位に立つことで、劣等感を補おうとする心の働き」を指します。
また、法律用語としての「補償」は基本的に、「天災や事故、適法行為が原因で発生した損害などを償うこと」を意味します。
「補償」を使った例文
・『修理にかかる費用は、相手側の保険で補償されることになった』
・『保険会社に連絡して、補償金を受け取ることができた』
・『国による損害補償が不十分だとして、集団訴訟が起きた』
「賠償」と「弁償」と「補償」の違い
「賠償」・「弁償」・「補償」はいずれも同じ意味合いを指す言葉です。
ただし、法律用語としては、損害の発生原因が違法行為による場合は「賠償」、適法行為による場合は「補償」と使い分けられています。
また、損害の規模が比較的大きい場合は「賠償」、損害の規模が比較的小さい場合は「弁償」が用いられているようです。
まとめ
・「賠償」とは、主に「他者に与えた損害を償うこと」を意味する言葉です。
・「弁償」とは、「他者に与えた損害を金品によって埋め合わせすること」を意味する言葉です。
・「補償」とは、「損失を補うことや償うこと」、「損害賠償として、被害者に対する損失を金銭で償うこと」を意味する言葉です。