この記事では、「鷹」と「鷲」と「隼」の違いを分かりやすく説明していきます。
この3種はいずれも猛禽類ですが、体長や見た目に違いありますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「鷹」とは?
「鷹」とは、タカ目タカ科に属する比較的小型の鳥です。
一般に昼行性で、種類にもよりますが、体長は約45~70cm程とされており、オオタカ、ハイタカ、クマタカなどがいます。
生息地は主に山岳地帯です。
猛禽類という、他の動物を捕食する習性のある鳥類に含まれており、獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い趾(あしゆび)、鋭く曲がった嘴(くちばし)を持ちます。
体の大きさや種類によって差異はありますが、ほとんどが肉食で、生きた昆虫類,爬虫類,魚類,鳥類,哺乳類,カエルなどを捕えて食べる種が多く、体の大きさは雌のほうが大きく、とる獲物も大きい傾向があります。
こうした習性を利用し、兎・狼・狐などを「鷹」のような猛禽類に捕らえさせ、別の餌と交換する狩猟法「鷹狩り」は紀元前から行われており、権力者や富豪の娯楽として楽しまれてきました。
「鷹」固有の特徴としては尾が扇状に広がっていることと、足が長く細いこと、鷹斑(たかふ)と呼ばれる独特の模様があります。
あまり羽ばたかず、気流に乗るように飛ぶことも特徴的です。
「鷲」とは?
「鷲」とは、タカ目タカ科に属する比較的大型の鳥です。
前述の「鷹」と同様に昼行性の猛禽類です。
習性も「鷹」と同様で、実は「鷹狩り」には「鷲」も使われています。
種類にもよりますが、体長は約85~100cm程度と「鷹」に比べるとかなり大型で、オオワシ、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなどがいます。
「鷹」と同様に生息地は主に山岳地帯です。
「鷹」との違いについては明確に示すことが困難で、主に体の大きさを理由に慣習や主観で「鷹」と「鷲」を見分けているのが一般的ですが、挙げられる特徴としては、「鷲」は尾が短くまっすぐになっており、足が短くて太く、鵜鷹斑(たかふ)のような模様はありません。
また、飛ぶ時も激しく羽ばたきます。
「隼」とは?
「隼」とは、ハヤブサ目ハヤブサ科に属する鳥です。
前述の「鷹」や「鷲」と同じ猛禽類ですが、「鷹」、「鷲」よりも小さく、約38~51cm程と言われており、とる獲物もスズメやハトなどを捕食します。
主な生息地は河川、湖沼、海岸などの周辺にですが、人が建設した高層ビル群での営巣例も散見されています。
外見は頭部が黒く、翼や背中は青みがかった黒、のど回りは白い羽毛で、お腹周りは白い羽毛に黒のまだら模様があります。
「鷹」と「鷲」と「隼」の違い
まず、「隼」はハヤブサ目ハヤブサ科を指すのに対し、「鷹」と「鷲」はタカ目タカ科であるという学問上の分類が違います。
また、「隼」が河川、湖沼、海岸に生息するのに対し、「鷹」や「鷲」は山岳地帯に生息します。
次に「鷹」と「鷲」の違いについては、以下5点があります。
・「鷹」体長が小さく、「鷲」は大きい。
・「鷹」は尾が扇状に広がっているが「鷲」は尾が短くまっすぐになっている。
・「鷹」は足が長く細いが「鷲」足が短く太い。
・「鷹」は「鷹斑」があるが、「鷲」にはない。
・「鷹」はあまり羽ばたかないが「鷲」は激しく羽ばたく。
まとめ
「鷹」と「鷲」と「隼」についてまとめると以下となります。
・「鷹」は山岳地帯に生息するタカ目タカ科の比較的小型の鳥です。
・「鷲」は山岳地帯に生息するタカ目タカ科の比較的大型の鳥です。
・「隼」は河川、湖沼、海岸に生息するハヤブサ目ハヤブサ科の鳥です。