日本人のソウルフードであるお米ですが、「玄米」、「精米」、「白米」にはどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、「玄米」と「精米」と「白米」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。
「玄米(げんまい)」とは?
「玄米」とは、稲の果実である「籾(もみ)」から「籾殻(もみがら)」を取り除いた米のことを指します。
「玄米」は糠(ぬか)の層に包まれており、この糠の層を取り除くと、後述する「白米」となります。
「玄米」の「玄」とは、「暗い」や「色が濃い」という意味であり、「白米」に比べ、ベージュや淡い褐色をしています。
「玄米」は「白米」に比べて、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富で、栄養価が高いため健康食品としても扱われています。
かつて「玄米」は、「完全食」とも呼ばれ、大々的に普及が勧められていました。
「玄米(と塩)のみで、必要な栄養を摂取することも不可能ではない」とも言われていますが、現代では、「玄米」に偏った食生活は栄養失調を招く危険性が挙げられており、推奨されていません。
「精米(せいまい)」とは?
「精米」とは、「玄米の糠の層を削って、除去すること」を指し、「精白(せいはく)」や「搗精(とうせい)」とも呼ばれています。
また、後述する「白米」と同じく、「玄米から糠の層を取り除いた米」も指します。
「白米(はくまい)」とは?
「白米」とは、「玄米から糠の層を取り除いた米」、「玄米を精白した米」のことを指し、「精米」、「精白米(せいはくまい)」とも言います。
淡い褐色をした「玄米」に比べて、白い色をしています。
平成元年(1989年)には、国税庁の「清酒の製法品質表示基準を定める件」において以下のように定義されています。
『白米とは、農産物検査法(昭和26年(1951年)法律第144号)により、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。』 (国税庁告示第8号)
古代では臼で搗かれた米を指して「舂米(しょうまい/つきしね/つきよね)」と呼ばれていました。
「玄米」に比べて、「白米」は柔らかい食感で食べやすい上に、炊飯時間も圧倒的に早いです。
しかし、栄養的に偏っていることから、「白米」のみの食生活は「脚気」をはじめ、ビタミンB1欠乏症を招きます。
江戸時代になると、上流階級の者たちが「白米」を常食していたこともあり、「徳川家光」や「徳川綱吉」など徳川将軍家をはじめ、当時、名のある多くの人物が「脚気」を患っていたようです。
その後、精米技術の普及に伴い、庶民にも「白米」を常食する習慣が根付き、「脚気」は国民病と言われるまでになりました。
まとめ
・「玄米」とは、稲の果実である「籾(もみ)」から「籾殻(もみがら)」を取り除いた米のことを指します。
・「精米」とは、「玄米の糠の層を削って、除去すること」、及び玄米から糠の層を除去した「白米」のことを指します。
・「白米」とは、「玄米から糠の層を取り除いた米」、「玄米を精白した米」のことを指します。